JR西日本は19日、大阪環状線で実施している自動で列車を走行させる試験の詳細を公表した。おおむね20年後のありたい姿を示した技術ビジョンで「無線式ATCなど保安システムの進化と自動運転技術による安全性と輸送品質の向上」を掲げ、自動列車運転実現の最初の線区として大阪環状線・桜島線(JRゆめ咲線)を考えているという。
自動で列車を走行させる試験は323系1編成(8両編成)を使用し、大阪環状線(外回り)の大阪~京橋間にて、2月5・7・17・19日の終電後から始発前まで実施されている。将来の自動運転の実現に向けた機能の評価、今後に向けての課題抽出を目的とし、車両の制御機能(加速・惰行・減速)、定位置停止機能、乗り心地などを確認した。なお、走行試験は運転士が乗務した状態で行われている。
特徴として、加減速制御と定位置停止制御を組み合わせることにより、走行計画に沿った自動での列車走行の実現し、状況に応じた走行計画の変化も実現させることが挙げられる。走行制御は既存のモーターやブレーキの制御装置(デジタル伝送装置)に加減速制御と定位置停止制御の機能を追加することにより、実現するという。