新型コロナウィルスの影響で、2月27日から開かれる予定だった「CP+2020」は開催中止となってしまいました。CP+に参加する予定だった鹿野貴司カメラマンはどのような製品に注目していたのでしょうか。
シグマ「fp」に惹かれるワケを語る予定だった
僕が初めてCP+のシグマブースに登壇したのが2011年。今年で実に10年目ということに今気が付きました。その間毎年登壇して、大雪で中止というときもありましたが、実にいろいろなカメラやレンズを紹介してきました。
で、今年のお題はついにフルサイズミラーレス。昨年10月に発売され、売れに売れまくっているシグマの「SIGMA fp」に、フルサイズミラーレス専用のDG DNレンズ(45mmF2.8、14-24mmF2.8、24-70mmF2.8、35mmF1.2)を装着した写真をあれこれお見せするはずだったんですが……。フルサイズFoveon機は年内発売ナシが先日発表されたので、やや静かなブースになったぶん、ステージを盛り上げようと思っていたんですがね。
実のところ、fpは従来のFoveon機に近い絵作りをするので、僕個人は「fpでいいじゃん」と思っているんですが、そのあたりの話もしたかったなぁ。新搭載のカラーモード「ティールアンドオレンジ」もいいけど、一般的なベイヤーセンサーになってLightroomやPhotoshopでふつうに現像できるのが何よりありがたい。有効画素数は2460万と、今どきのフルサイズ機としては少ないんですが、解像感は数値以上と感じます。どこまでも大きくプリントできそうな感じ。
X100VやミラーレスEOSにも注目していた
と、fp推しはこれくらいにしておいて、他メーカーで注目していたのは富士の「X100V」。すでに仕事でちょっとだけ触っているんですが、ボディの素材がアルミになって別のカメラのように生まれ変わりました。2月27日にシルバーが発売されるから、CP+でデモ機に行列ができたかどうかは微妙ですが。現行のX100Fを発売日から使い続けている僕としては、X100Vへの買い替えはもう確定です。
あとは、キヤノンから先日開発発表された「EOS R5」。CP+ではガラス越しに見るしかなかったと思いますが、だとしても熱い視線を集めたことでしょう。地味だけど同時に発表され、4月中旬に発売するという標準ズームレンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」もどれくらいコンパクトなのか気になります。こういう小さくて安いレンズがないと、EOS Rシリーズには手を出せませんぜ……とずっとキヤノンさんへ言い続けてきたので、これは年貢の納め時なのかしらん。
ほかにも、ネットで噂されている製品がいくつかありますな。たぶん、本来通りの日程で発表され、いずれカメラ店の店頭に並ぶわけですが、気になった製品はいち早く現物が見たい……というのは抗うことのできない心理。CP+の中止はちと残念ではありますが、カメラをいじったり写真を撮ったりできるのは健康な身体があればこそ。座して情報を待ちましょう。マイナビニュースでもしっかり伝えると思いますんで(笑)。
著者プロフィール
鹿野貴司
1974年東京都生まれ。多摩美術大学映像コース卒業。さまざまな職業を経て、広告や雑誌の撮影を手掛ける。日本大学芸術学部写真学科非常勤講師、埼玉県立芸術総合高等学校非常勤講師。