Amazonの「Fire TV Stick」が人気です。マッチ箱を細長くしたような筐体から突き出たHDMI端子をテレビに挿し、電源のUSBケーブルを接続する程度でAmazon PrimeやNetflixなどの動画ストリーミングを楽しめるほか、各種のアプリも利用できます。セール時には2千円台で入手可能という手軽さもポイントです。
このFire TV Stickには、Android OSをベースに開発した「Fire OS」が採用されています。製品の世代によってFire OSのバージョンは異なりますが、2018年発売の「Fire TV Stick 4K」にはAndroid 7.1ベースのFire OS 6が搭載されています。Fire TV OSではGoogle Play(Android端末向けアプリストア)がサポートされないため、Androidアプリが必ず動作するわけではありませんが、基本的には互換性が確保されています。
iPhoneの音楽を聴けるかどうかですが、Fire TV StickにAirPlay互換アプリを導入すれば聴くことができます。Fire OS用アプリストアには、Google Playで公開されているAirPlay互換アプリのFire OS版がいくつか公開されていますから、どれか1つを選びインストールすれば準備完了です。
しかし、AirPlayはAppleのライセンス供与がなければ正式には対応できない技術で、Android OS/Fire OSアプリに認められた例はありません。リバースエンジニアリングなどの方法により、ほぼ同等の機能がライセンス供与のないアプリでも実現されていますが、Apple公認ではないことを承知のうえで利用しましょう。
実際、「AirScreen」というアプリを試したところ、iPhone 11で再生した音楽をFire TV Stick経由で聴くことができました。iOSに付属の「ミュージック」だけでなく、AirPlay経由で音声出力可能なあらゆる音楽アプリの音を楽しめます。テレビ周りに高音質のステレオセット/スピーカーを用意しているのならば、試す価値はありますよ。