KDDIは2月17日、au新商品・サービス発表会を開催しました。縦に折りたためる「Galaxy Z Flip」を2月28日に発売することがアナウンスされたほか、高額なスマートフォンをおトクに入手できる「かえトクプログラム」についても詳細が発表されました。
どんなスマホ? Galaxy Z Flipをチェック!
いよいよ国内メディアに披露された、Galaxy Z Flip(サムスン電子製)。スマホなのに、ガラケーのように縦に折りたたむことが可能です。どんな仕掛けなのでしょうか?
ずっと気になっていた折り目の部分を、まずは触ってみました。なるほど、少し盛り上がっています。でも、ディスプレイの見やすさには影響しません。
折りたたむと、女性が化粧に使うコンパクトミラーのようなたたずまいに。背面はスッキリした仕上げで、角に小さな約1.1インチのタッチディスプレイを配置するのみです。この小型ディスプレイで着信が分かるほか、自撮り時にはファインダーとして機能します。
側面の電源ボタンには指紋認証センサーを配置。下端にはイヤホンジャックがありませんが、USB Type-C端子に対応したイヤホンが製品に同こんされます。このほか、前機種からデータを移行するためのOTG対応USB変換アダプタとケーブルも付属します。クラウドを経由するよりも速く、さまざまな種類のファイルを移行できるとの説明でした。
では、実際にどんな使い方ができるのでしょうか。例えば、折り目を境に2つのアプリを同時に起動させるのは便利な使い方といえます。アスペクト比にして21.9:9という、タテに長い6.7インチ(2,636×1,080ドット)ディスプレイの特徴を活かせます。くの字に折りたたんだままカメラを起動させるのも、Galaxy Z Flipならではの使い方。机の上に置いておけばフリーハンドで撮影でき、その様子は大きなディスプレイで確認できます。普段、YouTubeやTikTokで動画を撮っている人たちにオススメです。
かえトク、どんな内容に?
気になるGalaxy Z Flipの価格ですが、17万9360円(以下、価格はすべて税込み)となっています。さすがに10万円台後半となると、購入をためらってしまう人もいるでしょう。そこで、KDDIコンシューマ事業企画本部の松田浩路氏は、そんな高額なスマートフォンをお得に持てる「かえトクプログラム」について発表しました。
余談になりますが、高額な折りたたみスマホといえば、2019年10月にauから発売された「Galaxy Fold」を連想する人もいるでしょう。Galaxy Foldは約24万円、Galaxy Z Flipは約18万円。そして、いまやiPhoneシリーズも10万円超えが珍しくありません。このような高額なハイエンド機が増える一方で、総務省からは「端末販売の適正化」について厳しい目が向けられています。キャッシュバックは廃止され、端末割引の上限は最大2万円に設定されました。こんな状況下でauが打ち出したのが「かえトク」。“業界初”をうたう、残価設定型のスマホ購入プログラムとなっています。
その内容は、「2年後に端末をKDDIに返却することを条件に価格を安くする」というものです。クルマ業界でいうところの残価設定ローンと同じ考え方です。例えば、Galaxy Z Flipなら、2年後にも5万9760円の市場価値が残っていると想定します。そこで、本体価格17万9360円から5万9760円を差し引いた11万9600円を、ユーザーは23回で分割払いします。つまり、毎月5200円の支払いで最新のGalaxy Z Flipが所有できるというカラクリです。
では、iPhoneシリーズならどうなるでしょうか。「iPhone 11 64GB」の場合、価格は9万720円ですが、残価は3万6785円(本体価格の約41%)に設定されており、毎月2345円で持つことができます。一般的に、iPhoneは中古になっても市場価値が下がらないため、かえトクプログラムでも残価が大きく設定されます。
かえトク対象機種は12か月以上の利用が必須。13か月目以降なら、分割払いの途中で別の機種に買い替えた場合、いま使っているスマホを返却すれば残債は不要になります。また、24か月目までに買い替えをしないで現行のスマホを使い続ける場合、残価をさらに24回払いに分割することが可能です。
かえトクプログラムはマルチキャリアに対応しており、auの回線契約を持っていないユーザーも利用できます。提供開始は2月21日。KDDIでは今後、auが取り扱う全機種に対応させていきたい考えで、すでに販売しているスマートフォンについても対応させるとしています。
端末販売だけで黒字になる健全な経営を目指す
引き続き松田氏、およびKDDI次世代ビジネス企画部の長谷川渡氏が記者団からの質問に対応しました。
残価の決め方について聞かれると、松田氏は「残価は2年後の市場価値の予測。我々はこれまでも、アップグレードプログラムNXなどで端末を引き上げてきました。そのノウハウをもとに決めていきます。国内の中古スマホ市場も踏まえて予測していきたい」。ちなみに、残価は変動することもあるとの説明でした。また、アップグレードプログラムNXについては2020年2月20日をもって新規の受付を終了するとしています。
総務省の目が光る中、端末の適正販売について指摘される心配はないのか、という質問に長谷川氏は「気をつけることとして、販売事業だけ切り出した状態でしっかり黒字になり利益が出ることを目的にしています。つまり、健全な経営の中で行っていくということです」と回答しました。
次の機種に買い替えをせずに回収してもらうだけのときにどうなるのかという質問に、松田氏は「そのときの市況の下取り額でスマホを回収します」と、購入時に設定されていた残価では買い取らない可能性があると回答。金額が足りない場合は、ユーザーが代金を充当する必要もあるとの見方を示しました。