Mozillaは、2月11日(現地時間)にFirefoxの新バージョンとなる「Firefox 73」をリリースした。2019年にアナウンスされたようにFirefox 71以降、4週間ごとにバージョンアップが行われることになった。バージョンアップ頻度を高めることで、より柔軟に不具合や問題に対応する予定である。本稿では、バージョン73の新機能などを紹介する。
Firefox 73のインストール
すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。
アップデート後のFirefox 73は、図2のようになる。
新規に、Firefox 73をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。
[今すぐダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。
画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。以下では、新機能のいくつかを具体的に見ていこう。
ズームの一括設定が可能に
Firefoxにはズーム機能が搭載されており、バーガーメニューもしくは[Ctrl]+[+]、[-]でWebサイトごとにズームを行うことができた。しかし、Webサイトを移動するとズームの設定はリセットされてしまう。したがって、Webサイトを移動するたびに設定を行う必要があった。今回の新機能は、すべてのWebサイトに対し、一括でズーム設定を行うことができる。
オプション画面の[一般]セクションの[言語と外観]→[ズーム]で設定する。[規定のズーム]をパーセンテージで設定する。
その下にある[文字サイズのみ変更]にチェックを入れると、文字サイズのみの変更も可能となる。
ハイコントラストモードで背景画像も表示可能に
Windowsでは、視覚に不自由があるユーザーのために「ハイコントラストモード」が搭載されている。テキストのコントラストを高め、視覚に不自由があるユーザーでも、文字を読みやすくするための機能である。
Firefoxもこの機能に対応しており、ハイコントラストモードでは、Firefoxの表示も文字のコントラスが高い表示となる。しかし、これまでは文字の視認性を優先するための背景画像などは非表示となってしまっていた。
Firefox 73では新たに、readability backplateという仕組みが導入された。この機能を使うと、背景画像はそのままで、テキストの背後にバックプレートが敷かれ、テキストのコントラストを高める。結果、視覚に不自由があるユーザーへの配慮と同時に、背景画像も見ることができる。
Windowsをハイコントラストモードにするには、スタートメニューの[設定]→[簡単操作]→[ハイコントラスト]で、[ハイコントラストをオンにする]の設定を[オン]にする。この状態で、Firefox 73を起動すると、ハイコントラストモードとなる。
少しわかりにくいかもしれないが、文字の背後のみが黒くなっていることを確認してほしい。
開発者向けの新機能など
まずは、開発者ツール関連であるが、以下の通りである。
- CORSのエラーをコンソールでエラーとして示す (警告として表示しない) ことで、適切な表示に
- Webコンソールの文字列検索や正規表現検索で、「-」 を前につけて否定することが可能に
CSS関連では、以下の通りである。
- overscroll-behavior-xおよびoverscroll-behavior-yをより論理的にしたoverscroll-behavior-blockおよびoverscroll-behavior-inlineを追加
廃止されたものは、以下の通りである。
- 独自仕様である-moz-touch-enabledメディアクエリーの削除。代わりに<mrow>および<mo>要素を使用する
JavaScriptでは、以下の通りである。
- The yearNameおよびrelatedYearフィールドがDateTimeFormat.prototype.formatToParts()メソッドで使用可能に。CJKカレンダー向けに役立つフォーマットとなる
他にもあるが、詳しくはMdNなどを参照していただきたい。
セキュリティアップデートであるが、脆弱性の修正はCVE番号ベースで6件となった。深刻度は、もっとも危険度の高い「High」が3件、上から2番目の「Moderate」が3件であった。すみやかにアップデートすべきであろう。