私は長く接客業をしていましたが、好きでやっていたというよりは、極度の人見知りを克服したいという思いが強くありました。でもまあ苦手なりになんとかやってこられたのは大人の世界だったから。
上の娘を妊娠してから2才半になるまでに3度の引っ越しをして、最終的に地元の神戸へ戻ってきました。2才半となると、いよいよおしゃべりも上達して上手に歩き回れるようになり、一緒に外へ出ることも増えてきます。引っ越しが重なったこともあって、いわゆるママ友という存在もなく家の中で子どもと過ごしていました。それはそれで楽しいのですが、自己嫌悪に陥ることもしばしば。頭でっかちな話ですが、ネットやテレビでたまに見る「公園デビュー」や「ママ友のトラブル」という言葉が、より外の世界から自分を遠ざけていました。きっとこれも人付き合いの苦手意識から来るものなのだけど、もちろん子どもには関係のないこと。
何度か近くの公園へ行ってみましたが、周りにいる親子がみんな仲の良いお友だちに見えて疎外感を抱いたり、大きなボールが飛んできたりするんじゃないかと心配したり。娘はいろんな遊具や同じくらいのお友だちに興味を示していたのに、新たに買ったお砂場で遊ぶおもちゃを広げてもすぐしまって、気づけば親の私がそそくさと娘の手を引いて人のいない場所や自宅に向かって歩き出していました。