Wrike Japanはこのほど、「部下のテレワークに対する上司の本音」に関する調査結果を明らかにした。同調査は2019年10月25日~28日、1人以上の部下を持つ社会人1,030人を対象にインターネットで実施したもの。

  • 会社が成長していく上で、テレワーク制度は必要だとお考えですか?

    会社が成長していく上で、テレワーク制度は必要だとお考えですか?

同調査では、テレワークを利用している部下を持つ人をAグループ、利用している部下がいない人をBグループとした。

会社が成長していく上で、テレワーク制度(またはテレワーク制度の導入)は必要であるか尋ねたところ、Aグループの88.9%が「必要である」と回答した。一方、Bグループが必要だと回答したのは56.2%にとどまり、半数はテレワークは不要と考えていることがわかった。

勤務先の方針として、部下がテレワークを行う場合、どのような状況であれば許可できるか聞くと、Aグループの方がBグループより「やるべきことをしているのであれば理由も許可も必要ない」という回答が多かった。また、Bグループの方が「やむを得ない事情がない限り、出社は必須」という答えが多くなっている。

会社のIT環境は、テレワークに適した環境に整備されていると思うか尋ねたところ、Bグループの約6割が「テレワーク可能だが、適しているとは思えない」「現状のIT環境ではテレワークはできないと思う」と答えている。

勤務している会社のIT環境をテレワークに適した環境に整備するためには、どのようなことが必要だと思うか尋ねると、「PC・スマホなどハードウェアの購入」「ビジネス管理・労務管理などのソフトウェアの購入」「情報漏洩防止システムの導入」「Wi-Fiに接続できる端末の購入」が多く、A・Bグループともに必要なものに差は見られなかった。

部下のテレワークについて不安に思うことはあるか聞くと、A・Bグループともに「ある」「どちらかといえばある」(Aグループ66.6%、Bグループ69.1%)が、「ない」「どちらかといえばない」よりも多かった。

  • 人事評価する部下のテレワークについて不安に思うことはありますか?

    人事評価する部下のテレワークについて不安に思うことはありますか?

どのような点が不安か尋ねると、Aグループでは「プライベートのオンとオフのコントロールができなくなる」「部下の業務負担の把握ができなくなる」など、業務の時間や量の把握に不安を感じている人が多いことがわかった。一方、Bグループは「部下が何をやっているのかわからない」など、業務そのものについての回答が多かった。

部下のタスクをどのくらい把握しているか聞くと、A・Bグループともに「すべて把握している」「一部把握している」が約9割を占めた。

部下の出社時と比べ、テレワーク中でもタスクを把握できると思うか尋ねると、Aグループは8割以上が「把握できる」と答えているのに対し、Bグループは6割が「把握していない」と答えている。部下のタスクを把握する手段は、A・Bグループとも「メール」が多かった。

  • 人事評価する部下の出社時と比べ、テレワーク中でもタスクを把握できると思いますか?

    人事評価する部下の出社時と比べ、テレワーク中でもタスクを把握できると思いますか?

テレワーク制度を利用する人と利用しない人の人事評価を公平に行えるか尋ねたところ、Aグループの9割は「できる」と答えた。一方、Bグループが「できる」と回答した割合は7割にとどまった。

公平に評価できない理由を聞くと、Aグループは「部下の業務報告の仕方(アピール能力)に依存するから」、Bグループは「業務過程が見えないので判断材料が少ないから」が多かった。

部下がテレワークを行う場合の生産性について、どのように考えるか尋ねると、Aグループは7割強、Bグループは7割が「必ず上げなくてはならない」「どちらかと言えば上げなくてはならない」と答えた。

  • 人事評価する部下がテレワークを行なう場合の生産性について、考えに最も近いものをお選びください

    人事評価する部下がテレワークを行なう場合の生産性について、考えに最も近いものをお選びください

生産性を上げなくてはならない理由を尋ねると、A・Bグループとも、「通勤などの移動時間が減る」「ストレスが軽減される」という回答が多かった。

部下がテレワークを行う場合、オフィスで仕事をする場合と比べ、どのようなことを期待するか尋ねたところ、A・Bグループとも「通勤などのストレスが軽減されて、周りの人にいい影響をもたらすこと」が多い。

テレワーク制度を利用する場合、月に何日が許容範囲か聞くと、Aグループは約97%が、Bグループが約79%が「月に1日以上」と答えた。Bグループでは約16%が「許容しない、できるだけ利用しないでほしい」と答えている。