NHK、フジテレビ、ヤフーが、東日本大震災からまもなく9年を迎えるにあたって、共同企画を実施することになった。
この企画は、人々の命を守るためにテレビにできること、さらに、災害報道においてメディアの連携によって、もっとできることがあるのではないか…という考えから、震災から10年となる2021年に向け、3者が共同で取り組むもの。
まず今年は、NHKで「スタジオ討論番組」を、フジテレビで「検証VTR番組」を制作。ヤフーでは特設ページを開設し、メディアの壁を越えて、“死者をゼロにする”ための未来の災害報道を考える。
NHKでは、東日本大震災9年関連特番『“死者ゼロ”を目指せ~デジタル新時代の情報発信とは~』を、3月8日(14:00~15:00 ※総合テレビ)に放送。NHKの井上あさひアナ、フジの伊藤利尋アナがMCでタッグを組み、デジタル新時代に目指すべき情報発信のあり方を、メディアを越えて徹底討論する。
パネラーは、青木良樹(フジテレビニュース総局報道局取材センター室長兼社会部長)、山下和彦(NHK報道局ネットワーク報道部デスク)、田中真司(ヤフー 「Yahoo!天気・災害」サービスマネージャー)、井上智晶(岩手めんこいテレビ報道部アナウンサー・記者)、吉田圭(FMあおぞら社長・パーソナリティー)。ご意見番として、ジャーナリスト・法政大学社会学部メディア社会学科准教授の藤代裕之氏も出演する。
フジは、「津波の検証」と「被災者の思い」をテーマに20本を放送してきた『わ・す・れ・な・い』シリーズの最新作『わ・す・れ・な・い 死者をゼロにする情報とは』を、3月11日(15:50~16:50) ※関東ローカルに放送。今回は、岩手県釜石市と宮城県山元町を取り上げ、あの日どのように災害情報が伝わり、人々の避難行動に結びついたのかを、当時のNHKの放送映像やフジテレビ報道映像、ヤフーの検索データなども交え、新たな証言から検証する。さらに、ヤフーのネットでの試みも取材し、災害時に本当に必要な情報を探る。
フジの宮下佐紀子チーフプロデューサーは「あれから9年、NHKさんとヤフーさんとの前例のない共同企画で、災害時にメディアが力を合わせることで何ができるのか、可能性を探る試みです。ぜひ他の2社の取り組みもご覧いただき、多くのご意見をお寄せいただければ幸いです」と話している。