Samsungは2月11日(米国時間)、スマートフォンのフラッグシップとなる「Galaxy S20」シリーズの3モデルを発表しました。発売はグローバルで順次行われ、地域によって導入モデルやカラーなどは異なります。3モデルとも5Gに対応。現時点で国内発売は明らかにされていませんが、例年通りであれば、日本でもフラッグシップモデルとして発売されるのは間違いないでしょう。さっそく実機を紹介していきます。
Galaxy S20シリーズには、ディスプレイサイズが6.2インチのGalaxy S20、6.7インチのS20+、6.9インチのS20 Ultraの3モデルが用意されます。3モデルとも、クアッドHD+(3,200×1,440ピクセル)のDynamic AMOLED 2Xディスプレイ(有機EL)を採用。この2Xは、従来比で2倍のフレームレートに対応したという意味です。デフォルトの60Hz駆動に対して、120Hz駆動に対応しました。OSはAndroid 10です。ほかの主要なスペックは後半でまとめています。
注目のカメラ機能
Galaxy Sシリーズは前モデルのS10シリーズで10周年となり、「次の10年」を意図して「S20」へとシリーズ名が変更されました。
そのS20が重視するポイントはカメラ機能です。スマートフォンユーザーの買い替え理由で一番大きいのがカメラ機能で、従来のカメラ機能に不満を感じているユーザーが多いと、Samsungは認識しています。カメラの不満解消を目指して開発されたのが、S20シリーズというわけです。
S20とS20+はディスプレイサイズが異なりますが、気軽に強力なカメラを楽しめる端末という位置づけ。S20 Ultraは、さらにカメラ機能を強化し、より強力なカメラを楽しみたいユーザー向けとします。
そのカメラですが、S20とS20+は有効1,200万画素のメインカメラ(画角79度、F値F1.8)、有効1,200万画素の超広角カメラ(画角120度、F値F2.2)、有効6,400万画素の望遠カメラ(画角76度、F値F2.0)という3カメラ構成。S20はトリプルカメラですが、S20+はさらに深度カメラを搭載したクアッドカメラとなっています。
有効1億800万画素センサーを採用
注目はやはり、S20 Ultraが搭載する1億800万画素という超高画素センサーでしょう。シャオミの「Xiaomi Mi Note 10」シリーズが備えるセンサーと同じものですが、これはもともとSamsung製のセンサーで、Xiaomiに続いての搭載となりました。レンズの画角は79度、F値はF1.8です。ほか、有効1,200万画素の超広角カメラ(画角120度、F値F2.2)、有効4,800万画素の望遠カメラ(画角24度、F値F3.5)、そして深度カメラというクアッドカメラ構成です。
新たに実装した「ナノビニング」技術によって、9画素を1画素とみなして撮影することで、ピクセルサイズを大型化して低照度(暗い)環境でも明るく撮影するとしています。この場合、画素数は1,200万画素相当になりますが、ピクセルサイズは2.4μm相当と大きいため、高感度・低ノイズの写真が期待できます。
もちろん、1億800万画素での撮影も可能。高画素を生かして、画面の一部を拡大して保存するといった撮影機能もあります。画質的には、1億800万画素で記録しない通常モードのほうが有利ですが、シーンによっては1億800万画素の撮影も大いにアリでしょう。
インカメラは、3モデルともパンチホール型のシングルカメラ。S20とS20+は、有効1,000万画素、画角80度、F2.2のインカメラです。S20 Ultraは4,000万画素、画角80度、F2.2となります。
ズーム機能も強化
超解像ズーム機能によって、S20とS20+は30倍、S20 Ultraは100倍相当までのデジタルズームが使えます。例えば、ファーウェイのP30 Proが50倍相当のズーム機能を備えていましたが、それを上回る100倍相当です。正直、画質に関してはそれなりですが、焦点距離を考えるとがんばっている印象です。月のような被写体を撮影してみたくなりました。
カメラの操作はやや複雑です。S20とS20+は、標準画角からズームボタンをタッチすると「3倍」表記に、S20 Ultraは「5倍」表記になります。が、実際のレンズ焦点距離は、標準レンズに対して3倍や5倍にはなっていません。ソフトウェア処理によるデジタルズームと併用するハイブリッドズーム機能であるため、よく使われる倍率が設定されているそうです。
動画は?
動画は8K撮影に対応します。7,680×4,320ピクセルという超高画素の動画を撮影できますが、現在は8K解像度とフルに表示できる8Kディスプレイは多くありません。動画としてはやや過剰ですが、8K動画から約3,300万画素の静止画を切り出すハイレゾフォト機能がポイントです。スマホのカメラ機能が進化する方向性として期待されている、8K切り出しをいち早く搭載したのは特筆すべき点でしょう。
動画撮影でも、暗い場所で強力なスーパー手ブレ補正が動作します。加えて「ナイトハイパーラプス」機能を備え、夜景でのハイパーラプス撮影によって新しい表現を可能にしました。
面白いのが「シングルテイク」機能です。これはシャッターボタンを押すと自動的に最大15秒間の動画を撮影し、その中でカメラが被写体や状況を自動判別。動画を記録したり、レンズを変えて静止画を記録したり――という機能です。一度の撮影で、アップの写真と広角レンズによる引きの写真、スローモーション動画、ハイパーラプス、モノクロなどが記録されます。
一度シャッターを押せば、シーンに合わせたいろいろな撮影を勝手にやってくれるということで、新しい撮影体験を実現する可能性があります。