ソニーは、テレビの音声を手元で聞けるワイヤレススピーカーの新製品として、人の声をクリアに再現する「はっきり声」機能を搭載した「お手元テレビスピーカー SRS-LSR200」を2月22日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭価格は税別2万円前後を見込む。
2015年発売のワイヤレススピーカー「SRS-LSR100」の後継機種。テレビの音声が聞き取りにくいと感じている人でも、テレビとSRS-LSR200を連携させることで、本体の音量を上げずに手元でしっかり音を聞けるという。バッテリー内蔵のスピーカー本体と、充電台を兼ねた送信機で構成しており、送信機の上にスピーカーを載せて充電してから使う。また、スピーカー背面のUSB Type-C充電端子に直接ケーブルをつなぎ、充電しながら使うことも可能だ。
SRS-LSR200の大きな特徴のひとつが、新たに人の声に特化した設計の「声用スピーカー」を搭載したことで、これによりユニット構成はスピーカー×3+パッシブラジエーター×2になった(従来のLSR100はスピーカー×2+パッシブラジエーター×1)。
左右チャンネル用のスピーカーとは別に独立したボックスを中央に設け、声に最適化した設計のセンタースピーカーユニットを配置。左右の干渉を排除しつつ音の乱れも発生しにくくすることで、ドラマのセリフやスポーツ番組の実況音声などを聞き取りやすくした。また、スピーカーユニットの向きを本体側面に対して10度上向きに傾けることで、声の明瞭さを改善している。
さらに、人の声をクリアに再現する「はっきり声」機能を搭載。従来のLSR100に備わっていた「ボイスズーム」を強化し、音声信号から人の声の成分を抽出してハッキリ際立たせるようにした。
上記の声用スピーカーを使う「はっきり声1」と、加齢によって聞こえにくくなる周波数を増強する「はっきり声2」のふたつのモードがあり、好みやユーザーの年齢などに応じて聞き取りやすい音のバランスが選べる。他社の手元用テレビスピーカーでは、人の声を聞き取りやすくする機能についてはアナログ処理が主流とのことだが、SRS-LSR200は高精度なDSPを搭載し、デジタル信号処理でこの機能を実現している点がポイントだ。
実機デモでは、スポーツ中継などで歓声が上がっているときのアナウンサーの実況音声や、バックに音楽が流れているドラマのセリフが聞き取りやすくなっているのが分かった。なお、クラシックなどの音楽ソースを聞きたいときは、「はっきり声」機能をオフにすることを推奨している。
独自の技術で音声遅延を抑え、テレビのスピーカーと同時に音を出しても音ズレの違和感を少なくした。また、ダイバーシティアンテナを採用したことで音を途切れにくくしている。
テレビリモコンとしての機能を従来機から引き継ぎ、背面に強力かつ広角に発光する赤外線リモコン発光部(LED×3)を搭載。ソニー以外の各社テレビの操作にも対応する。USB-C充電端子、ステレオミニのヘッドホン出力も備える。
スピーカー上面の操作パネルには大型のチャンネルボタンやボリュームダイヤルなどを備えており、ダイヤルの周囲に滑りにくいよう平目のローレット加工を施し、音量の目安を表す部位にでっぱりをつけるなど使いやすさにもこだわった。
スピーカーはIPX2相当の防水機能を備えており、キッチンなど水濡れしやすい場所でもテレビの音声を楽しめる。持ち運び用の可動式ハンドルは従来よりも太めのデザインに変更し、握力の落ちた年配者でも持ちやすく、片手で起こせるようにした。
送信機側には光デジタル音声入力とステレオミニのアナログ音声入力を備え、テレビから入力した音声をスピーカーへ2.4GHz帯の電波でワイヤレス伝送する。スピーカーの充電台としても機能し、お皿のような形状にしてスピーカーを置きやすくした。また、付属のケーブルをどこに挿せばよいか分かりやすくするため、ケーブルと送信機の対応する端子に3色のカラーと数字表記をそれぞれ施した。
スピーカーは内蔵のリチウムイオンバッテリーで動作し、3時間充電で約13時間再生できる(はっきり声モードオフ時)。バッテリー残量はLEDの点灯色で分かるようにし、音でも通知する。スピーカー出力は1W×2chで、はっきり声オン時は左右が0.5W×2ch、センター1W。本体サイズ/重さは、スピーカーが182×87×77mm(幅×奥行き×高さ、ハンドルを下げた状態)/約630g。ACアダプタやUSBケーブルなどが付属する。