自分が送信したiCloudメールが、なぜか相手のところでは迷惑メールと認識されてしまう……原因は複数考えられますが、相手のメールアプリで自分のアドレスが迷惑メール発信者に登録されていない、(通信キャリアやプロバイダの)迷惑メール機能で「icloud.com」が登録されていないことが確認できたら、自分のメール環境を再確認してみましょう。
もし、迷惑メール判定されたメールがApple製以外の端末/アプリから送信されていたのなら、原因は「DMARC」かもしれません。Appleが2018年にiCloudメールのセキュリティを厳しくした結果、Appleが提供するメールサービス(ドメイン名が「@icloud.com」または「@mac.com」か「@me.com」)のメールは、Appleのサーバから送信しないかぎり、相手のところで迷惑メールと判定される可能性が高くなったからです。
DMARCは、なりすましを防ぐためのメールサーバ間における認証技術で、「SPF」と「DKIM」の認証が失敗したときに作動します。かんたんにいうと、SPFは〇〇というサーバから送信されたメールは送信元が詐称されていないことを証明するための、DKIMは電子署名を利用し送信元が詐称されていないことを確認するためのしくみで、この2種類の認証が失敗したときにDMARCのポリシーが適用されます。
かつてのiCloudメールは、DMARCポリシーが「none(規定なし)」でしたが、2018年7月以降は「quarantine(隔離)」に変更されています。Apple以外のサーバから送信されたiCloudメールはSPF/DKIMいずれも失敗するので、DMARCポリシーにより隔離、つまり迷惑メールとして処理されるというわけです(メールを受信した側のサーバがDMARCの処理に対応している場合)。
この問題は、iCloudメールサーバ以外からのメール送信を避けるだけで予防できます。iPhoneのメールアプリでも、その気になれば他サーバからiCloudメールを送信できますが(設定→Apple ID→iCloud→メール→SMTP画面でサーバを変更)、迷惑メール扱いされたくなければ変更してはいけません。