女優の松たか子が10日(現地時間9日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催された「第92回アカデミー賞」の授賞式に登場。歌曲賞にノミネートされた『アナと雪の女王2』の「イントゥ・ジ・アンノウン」を、米国のイディナ・メンゼルほか世界各国のエルサ役キャストとともに歌唱した。パフォーマンス時はドレス姿を披露。授賞式前のレッドカーペットでは着物姿で存在感を放った。

『テセウスの船』

着物姿でレッドカーペットに登場した松たか子

「イントゥ・ジ・アンノウン」のパフォーマンスでは、英語版の声優を務め、ブロードウェイミュージカル女優として世界中にファンを持つイディナ・メンゼル、そして日本から高いパフォーマンス力が評価されUS本社直々のオファーを受けた松をはじめ、デンマーク、ドイツ、ラテンアメリカ、ノルウェイ、ポーランド、ロシア、スペイン、タイの9の国と地域のエルサ役キャストが集結。日本人がアカデミー賞授賞式で歌唱するのは初めて。さらに、松が人前で「イントゥ・ジ・アンノウン」を披露するのも今回が初となった。

松は授賞式前のレッドカーペットでは、以前に家族が松のためにあつらえた帯と疋田総絞りの上品な着物で世界各国のエルサ役と共に登場。パフォーマンスでは着物から一転、ジミーチュウのハイヒール、ピアジェのジュエリーにピンクベージュのヴァレンティノの華やかなドレス姿を披露した。

歌唱は、センターのイディナのパートから始まり、その隣に立つ松が各国のエルサ役キャストのトップバッターとして歌唱。リレー形式で「イントゥ・ジ・アンノウン」を披露した。不思議な歌声をきっかけに、再び自身の力と向き合い、迷いを感じながらもまだ見ぬ未知なる世界へと踏み出そうとするエルサの想いがつづられているこの楽曲を、各国のエルサ役キャストが美しくも力強い圧巻の歌声で表現。客席からは割れんばかりの歓声と拍手が巻き起こった。

歌唱直後の松は「他の国のエルサやイディナたちとステージで歌うことができて、とても楽しかった」と興奮冷めやらぬ様子で語り、「予想をはるかに軽々超えた機会を与えてもらいました。オリジナルのエルサを演じたイディナはもちろん、各国のエルサと会えることがすごく楽しみでした。同じく皆がエルサのセリフを言い、歌を歌ってきた人たちなので、私は日本版のエルサというシンプルな気持ちで、行くしかないかなという思いでした。到着してから、レッドカーペットに行くギリギリまでサウンドチェックして、とても充実感のある数日であっという間でしたけど、とても楽しかったです」と、このオファーを受けてから授賞式までの心境を話した。

さらに日本のファンに向けて、「私が今日このステージで歌えたのは、日本でこの作品を観て愛してくれた人たちの力も非常に大きかったと思います。日本での盛り上がりが認められて、“おいで”と言ってもらえたんだと思いますので、みなさんの力にとても感謝しています。日本ではまだ公開中なので、このアカデミー賞授賞式を観て気分が高まったら、ぜひ劇場に足を運んでほしい」と感謝の気持ちを伝えた。

WOWOWプライムでは、2月10日21時から「第92回アカデミー賞」授賞式の字幕版を放送。

  • 『テセウスの船』

    世界各国のエルサ役キャストとともに「イントゥ・ジ・アンノウン」を歌唱する松たか子 Photo by Kevin Winter/Getty Images