東京急行電鉄(現・東急)が1954~1986年に運用していた旧5000系を使用し、渋谷区観光協会が渋谷駅前で運営してきたハチ公前広場「青ガエル観光案内所」に関して、2020年6月上旬の秋田県大館市への移設に向けて動き出すことが決まった。
渋谷は100年に1度と言われる大規模再開発で大きな変化を迎えており、2006年から渋谷の街を見守ってきた「青ガエル(旧5000系)」の今後の活用が模索されてきた。今回の発表によれば、忠犬ハチ公を縁として交流を続ける大館市に誕生した「秋田犬の里」を新たな活躍の場とし、渋谷区と大館市の親交の象徴として活用をめざすという。
移設後は両市区の交流のモニュメントとして、交流のきっかけとなった忠犬ハチ公を中心に、渋谷と大館の歴史変遷を展示しながら、座席シートを施設来場者の休憩場所として開放する予定となっている。
今後のスケジュールとしては、5月下旬から6月上旬にかけてハチ公前広場から搬出・運搬・移転作業を行う予定。7月から大館市による供用が開始される。
旧5000系は運行当時より、緑の塗装と丸みを帯びた愛嬌のある車両外観から「青ガエル」の愛称で親しまれ、新車両への置換えによる退役後も長野・熊本・福島などの鉄道事業者に譲渡され、各地で長く運用されてきた。ハチ公前広場「青ガエル観光案内所」は、運用終了後に保存していた車両を渋谷区が譲り受け、渋谷駅前の象徴的なモニュメントとして設置された。