俳優の長谷川博己が主演を務めるNHK大河ドラマ『麒麟がくる』(毎週日曜20:00~)で医師・望月東庵を演じている堺正章が、9日に放送された第4回「尾張潜入指令」の撮影を振り返った。
堺が演じる望月東庵は、京に暮らす医師で、今は落ちぶれているが、朝廷や各地の戦国大名などに不思議な人脈を持つ。生涯にわたって光秀を導く存在になる。9日に放送された第4回では、東庵が、斎藤道三(本木雅弘)の命により、尾張・織田信秀(高橋克典)の様子を探るため、尾張へと向かった。
堺は、斎藤道三とのシーンについて「東庵は心の中で、道三は絶対に首は斬らないと読んでいます。道三は情報がほしいので、 東庵を殺してしまうと何の情報も得られませんから、絶対に首は斬らない。東庵にしても、借金を返すためには、道三は大事な男ですからね。道三をも手玉にとりつつ、情報を与え、信秀を視察し、また道三に情報を与えていく・・・東庵は不思議な役どころです」と回顧。
「でも、もしあのとき道三に斬られていたら、あそこで僕は最終回でしたからね(笑)。生き延びることができて良かったです」と安堵し、「あのころは、命はとても軽いもので、毎回戦死や病死で、次から次へと人がこの世を去っていきます。その時代を成した男たちでも、やっぱり健康や寿命にはかなわないところがありますから、ドラマの中でも、命を預かる医者は、大事な役どころだと思います」と語る。
また、「本木雅弘さんは道三をとてもエネルギッシュに演じていますが、それは光秀をどのように盛り立てていくかということの裏返しだと思います。道三はとても豪快で、ずうずうしい男ですが、『静』と『動』のうち、『動』を道三が演じ、そうすることで、そこに動じない光秀の姿がより引き立つような気がします」と分析し、「本木さんとは『徳川慶喜』以来の共演です。顔の距離がとても近かったです! 抱きしめてやろうかと思いました(笑)」と、本木との22年ぶりの共演も楽しんでいる様子。
織田信秀とのシーンも「道三と信秀、どちらが手強いかというと、信秀の方が僕にとっては手強い相手です。信秀と双六で対決しますが、それは小さな戦のようでした。賭け事をしている時、人はどこか気を許してしまうことがありますので、そこから何か情報を得たり、その得た情報をどう生かしていくのか、今回はその序章に過ぎないのではないかと思います。高橋克典さんの演技も、迫力のある智将という感じでした」と振り返った。
さらに、「東庵は、僕の中ではまだ謎の人物で、演じるのがとても難しいです。武将ではなく庶民ですし、どこか不思議な存在ですから、戦国の世でこれからどういかされていくのか、これからとても楽しみです。もしかすると宇宙人なんじゃないかと(笑)」と打ち明け、「武将たちのシーンは本音と建前が交錯しますが、東庵のシーンは、身構えずに少しリラックスしてご覧いただける、ホッとできる時間です。現代にも通じる生活感を、上手く演じることができればと思います」と意気込んでいる。
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