財布の中の500円玉を貯めていくだけで簡単にできる「500玉貯金」。貯金が習慣化していくと、知らない間に結構大きな金額になっていて、嬉しいものです。財布の中に500円玉があると、「これは貯金しよう」という意識が働くため、「コンビニで何か買おうと思ったけどやめておこう」といった無駄使い防止の意外な効果もあったりします。そんな500円玉貯金ですが、実際のところ貯まるものなのでしょうか。500円玉貯金の貯まりやすさや、成功させるポイントなどを解説していきます。
500円玉貯金は貯まる?
500円玉貯金は、貯金箱に500円玉が貯まっていく様子を目や耳で確認できることで、モチベーションアップにつながり、貯めやすい貯金として知られています。1回につき500円という金額も、続けやすさの秘密ではないでしょうか。そんな500円玉貯金ですが、「気づいたら30万円も貯まっていた」という人がいる一方、「なかなか貯まらずやめてしまった」という声も聞こえてきます。両者の差とは一体何なのでしょうか。
主な要因としては、現金派かキャッシュレス派かという支払いスタイルの違いが挙げられます。最近増えているキャッシュレス派の人の場合、そもそも500円玉を作る機会が少ないため、500円玉があまり貯められず、すぐに挫折してしまうようです。500円玉を作るためだけにわざわざ現金で買い物をするのも面倒でしょう。500円玉貯金は、貯まるスピードがある程度速ければやる気が出るものですが、少しずつしか貯まらないと先が見えず、やめたくなる原因となってしまうのです。
もう一つは、財布の中のお金が減るスピードが速くなることを気にするかどうか、でしょう。500円玉貯金をしていると、500円ができるたびにお金が出ていきますので、結果的にこれまでより使える現金が少なくなってしまいます。それを負担に感じる人であれば、500円玉貯金を続けるのは難しいかもしれません。
つまり、現金派であり、かつ500円玉貯金によって使えるお金が少なくなることを気にしない人であれば、500円玉貯金は貯めやすい方法と言えるでしょう。「現金派なのに500円玉貯金がうまくいかない」という人は、次に挙げるポイントを意識してみてください。
500円玉貯金を成功させる3つのポイント
1.1日に貯める500円玉の枚数に上限を設ける
500円玉貯金を始めると、買い物の時に紙幣を崩して500円玉を作ろうという意識が働くようになります。会計のたびに紙幣を崩すと、日によっては何枚も500円玉ができる時があります。たとえば、1日に4枚できれば、一気に2,000円も貯金ができることになります。このように、500円玉ができるたびに貯めるのでやる気になるとどんどんお金は貯まりますが、あまりハイペースで500円玉を作ってしまうと、生活費を圧迫することが心配です。
そこで、1日に貯める500円玉の枚数には上限を設けましょう。たとえば、1日2枚までと決めたとしても、1ヶ月に最大で31,000円も貯められるのです。また、逆に、上限まで貯められない日や500円玉がたまたま財布にない日もあるでしょう。しかし、無理して500円玉を作るために必要のない買い物をすることはありません。1日の上限枚数を決めながらも、「あれば貯める」くらいの気持ちで取り組むと、無理なく長く続けられます。
2.まずは10万円など小さめの貯金箱からスタートする
500円玉貯金用の貯金箱には、10万円が貯まる比較的小さめのものから、30万円や中には100万円が貯められる大きなものもあります。100万円が貯められるとは夢が膨らみますが、500円玉貯金は、まずは小さな成功体験を得ることが大切です。
たとえば、10万円貯められる貯金箱は、大きさもさほど大きくなく、見た目からして「少し頑張れば達成できそうだ」という予感がします。そして、実際に、数ヶ月間頑張って意識的に500円玉を貯めていけば、10万円の貯金が可能になります。これを一度でも経験すると、とても嬉しいものです。さらに、500円玉貯金は、ゲーム感覚で貯められますので、「次もまた達成したい!」という気持ちにさせてくれます。まずは、10万円など小さめの貯金箱をいっぱいにすることから始めてみましょう。
3.目標は旅行やレジャーなどの楽しみに設定する
500円玉貯金のモチベーションを格段に上げてくれるポイントは、「貯めたお金は旅行やレジャーなど楽しみのために使う」ということです。「お金が貯まったら、これで温泉旅行に行こう」、「夏休みの旅行に500円玉貯金をプラスすれば、部屋やプランがグレードアップできる」と思えば、毎日ワクワクしながら500円玉を貯めていけるはずです。
それに、500円玉貯金は、自分の意志でお金を貯めていきますので、達成できるかどうかは不透明という面もあります。そのため、老後資金や将来の教育費など、「必ず必要になるお金」を貯めていく手段としては、少し不安が残るという理由もあります。これまで、レジャー費を貯められず生活費から切り崩していたという人も、500円玉貯金なら楽しくお金が貯められるのではないでしょうか。
500円玉貯金以外の気軽な方法
500円玉貯金のように自分で貯めていく方法では、うまくいきそうもない。でも、少額でコツコツ貯金がしたい。もしくは、自分はキャッシュレス派だ、という場合は、「積立投信」を利用するのがおすすめです。積立投信は、購入するファンドや毎月の積立金額を決めれば、あとは自動的に積立ができる投資信託です。さらに、積立投信は少額から積立が可能で、ネット証券などでは100円から積立できるところもあります。積立投信を利用すれば、「お金を増やしながら自動的にできる500円玉貯金」が可能になりそうですね。
また、2018年1月から始まった「つみたてNISA」を使えば、税制優遇を受けながらお得に積立投信ができます。つみたてNISAでは、つみたてNISA口座で投資した積立投信の売却益や分配金にかかる税金が非課税となるのです。このような制度を活用して、まずは少額から賢く積立を始めてはいかがでしょうか。
少額でも早めに貯金を始めよう
仮に1日2枚ずつ500円玉を貯めていけば、1年で36万5,000円にもなります。1日1枚でも、18万2,500円です。毎日1~2枚の500円玉を入れるだけで、重い負担もかからずいつの間にかまとまった金額になるのは嬉しいですね。
貯金を始めるのに重い腰が上がらないという人も、500円玉貯金なら今日から始められます。理想は先取り貯金ですが、貯金はとにかく早く、少額でもスタートさせることが何より重要です。500円ずつでも貯金をしているかどうかの違いは、精神的にも大きな差が生まれるものなのです。