タレントのマツコ・デラックスが、きょう8日に放送される日本テレビ系バラエティ番組『マツコ会議』(毎週土曜23:00~)で、藝大生に関心を寄せる。
今回は、エリートなのに就職率2割という東京藝術大学から中継。卒業作品展を間近にひかえた藝大生を深掘りする。
上野にある東京藝術大学は、岡本太郎、村上隆など日本を代表する芸術家を数多く輩出している日本で唯一の国立総合芸術大学。卒業生は芸術家として国内外で活躍しているにもかかわらず、就職率は意外に低く約2割だが、マツコは「アーティストを目指す人たちが多いのだから、あたり前じゃない」と理解を示す。
現代アートを学ぶ先端芸術表現科の東さんは、現在住んでいる取手市の放置自転車と高齢化をテーマにして、1台の自転車をこぐと他の自転車が一斉に動くという大がかりな作品を作り上げた。東さんいわく、藝大卒業後も学生の創作活動を支える仕組みを作ろうという動きはあるものの、まだ実現はしていないのだそう。マツコは「卒業してから10年くらい優しくしてあげてほしい、20代前半で芸術家になりたい人がひとりでどうにかしなさいって言われても、なかなかキツい」と持論を展開。東さんは、卒業後は大学院進学を希望しているのだと言う。
次に、自分自身をテーマにアニメーション作品を制作した倉科さんが登場。倉科さんは高校も大学も自画像で入学し、このアニメーション作品でも4,000枚ほど自画像を描き、その中から厳選した350枚を使用したという。パンチングマシンをパンチすると、アニメーションと録音された倉科さんの声が再生されるという仕組みで、世界中で起こっている出来事に対して何かできるわけではないけれど何か言いたいという複雑な感情を表現したのだそう。倉科さんも大学院への進学を希望しているのだという。
続いて登場した黒松さんの作品は、広い部屋の中央に積み上げられたダンボールのひとつを覗くと、その中に昔懐かしい子ども部屋がミニチュア模型で作り上げられているというもの。誰もが思う「あの頃に戻りたい」、という感傷的な気持ちを表現した作品だ。芸術オンチで理解できないと言うリポーターの橋本ディレクターを、「わからないのもひとつの答え」と受け入れる黒松さん。そんな黒松さんを「芸術家は、表現というものを否定しないのよ」とマツコは称賛する。
最後に話を伺ったのは、大学院生の小林さん。文化財保存学専攻彫刻で修復を学ぶ小林さんは、日本美術のコレクションで有名なボストン美術館で収蔵している仏像のレプリカを作成。作られた当時と同じ素材や技法を用いて、劣化など風合いを忠実に再現している。マツコは「簡単にレプリカを作らせたくはないはず。やっぱり彼女がすごいからやらせたわけよね」と小林さんの技術にうなる。