お笑いコンビ・ドランクドラゴンの塚地武雄が、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『パパがも一度恋をした』(毎週土曜23:40~ ※8日は23:50~)に出演しての感想を語った。
同作は、愛する妻・多恵子(本上まなみ)を亡くしたショックで丸3年間引きこもり中の山下吾郎(小澤征悦)と、吾郎を心配するあまり、おっさん姿になって生まれ変わってきた、おっさん多恵子(塚地)とのラブコメホームドラマだ。
――この作品の感想を教えてください。
テイストはド真ん中のコメディーでありながらほっこりして、たまにほろっとして最後はスッキリするような…。ファンタジー要素のある作品だと思いましたし、今まであまり出会ったことのないようなドラマのような気がします。
――おっさん多恵子を演じることについての楽しさや難しさは?
この役は僕にとってはチャレンジで、僕の姿でありながら女の人に見えなくてはいけない。その辺りを大事に取り組んでいます。しかも女の人の中でも多恵子はぶりっ子が似合う可愛らしい人だから、二重の苦しみみたいなものはあります(笑)
――その中でも大変だと思うことは?
女性の仕草を知らなくてはいけないことです。例えばガンマンの役なら、ガンマン指導の先生に教えてもらえばいい。でも、女性役の演技指導の先生はいないので、それこそ周りの女性スタッフに聞いたりしています。座り方や包丁の握り方ひとつとっても、女性との違いを感じています。
――塚地さんの好きな女性像みたいな感じに、だんだんなってきたり…!?
それはないなぁ(笑)。男性がオールマイティーで好きな感じの女性にしようと監督とも話していて、ドジっぽくて、健気で一途な女性みたいなところだと思います。だって、“テヘぺロ”が成立する女性ですよ? ああいう仕草ってよっぽどの人じゃないと周りが許さないと思うんです。そのよっぽどの人を演じているのが、この僕というギャップです(笑)
――山下吾郎役、小澤征悦さんの印象を教えていただけますか?
今までいろんな作品を観させていただいて、シリアスな役どころでありながらどこか個性的な部分もあったりする、格好いいお芝居をされる役者さんだと思っていました。でも一方でバラエティーに出られる時には飄々とボケたりするので、この方は多分面白いことが好きなんだろうというのは、薄々画面を通して気づいていましたけれども…(笑)。いざ一緒にやらせていただくと本当にコメディーに対してストイックで、ひとつのシーンでも声のトーンや動きも何パターンも変えてきますし、堂々とオーバーな演技をされるので思いっきり笑えます。まるでハリウッド映画の中にいる俳優さんみたい。ひとつひとつのシーンを面白いものにしようとするストイックさは本当にすごいですよ。
――その小澤さんは、笑いのプロである塚地さんに胸を借りるとおっしゃっていました。
いやいや本当に僕は小澤さんに付いて行っているだけなんですよ。でも、確かにお互いがボケツッコミを、セリフ以外のところでもどんどん被せてきているなとは思います(笑)
――山下多恵子役の本上まなみさんと役柄についてお話しされたことはありますか?
実はこういう性格ですよねなど、役の部分でのすり合わせはありませんでした。基本は僕の多恵子を見て本上さんがやっていたり、料理のシーンでは本上さんの調理の仕方を見て僕が真似したり。たぶん、お互いにとても見ているので、だんだん表情も被ってるとは思うんですよね。表情のマネをされると、逆に「こんな顔するんだ!」と気づかされることもありますね。演技でも僕と本上さんが同じように演じるシーンがたくさんあるのですが、多恵子が「テヘペロ」とするシーンで先に撮影した僕が勝手にウインクをしたんです。しかし実は、本上さんはウインクが苦手だそうで(笑)。あとから、現場が本上さんのウインク待ちになったと聞きました。
――ドラマのテーマでもある『人は見た目か、中身か?』この作品に接したことで改めて考えたことはありますか?
いや極端な話、この役をやらせていただいている僕の外見が0点という前提で物語が進んでいるので、それはちょっと待ってよと思いました。まるで、“塚地を愛せるか?”みたいな話になってきているので(笑)。セリフも無茶苦茶で、「臭い」とか「おじさんとかキモい」とか、僕はそのセリフを受け止めてやっているんです。でもある種、僕にしかできないと自負した役で、世のおじさん代表として頑張りたいというのはあります。
――視聴者の皆さまにメッセージをお願いします。
笑えて泣けてというと月並みな言い方ですが、本当にお勧めしたいドラマです。このドラマはメインのテーマが、『人は見た目か、中身か?』ということなので、“塚地でも愛せるのか?” という究極の選択に皆さんも挑んでいただきたいです。それで、塚地もありやなと思ってもらえたら少しは救われますので、ある意味、僕を肯定してもらえるドラマになればいいなと(笑)。でも本当に、愛が詰まっているいいドラマだと思います。