出張先での大切な商談や気合いを入れたプレゼンの日、ホテルで体調を崩してしまったら元も子もない。しかし、エアコンの風や乾燥した部屋で喉の調子が……という経験を持つ人は多いのではないだろうか。
そんな人たちに愛用してもらいたいのが、「勝負ホテル」とも呼ばれる快適さを追求した福岡県福岡市博多区にある「グレートモーニング」だ。全館にエアコンなく、最高の朝を迎えることを追求したホテルだという。実際に宿泊してきたので、レポートをお届けしよう。
最高の朝のために最高の眠りを
「グレートモーニング」は天神や博多からアクセスの良い中州川端駅から徒歩5分ほどの場所にある。一見普通のホテルと変わりないが、エアコンなしでは寒いのではないか。訪れた日はあいにくの雨模様で、寒さに凍えながら踏み入れた館内は驚くほどに暖かかった。
酵素ドリンクを炭酸で割ったウェルカムドリンクを飲みながら、ホテルの説明を聞いた。気になるのはエアコンがないのに、なぜ暖かく過ごせるのか。その秘密は壁に並んだパネルのような見た目の「光冷暖システム」だという。
独自研究を重ねた高性能冷暖パネルに、室外機で冷やしたり温めたりした循環水を流し、遠赤外線の放射熱によって冷房や暖房の役割をしているとのこと。部屋全体の温度と湿度をムラなく保つそうだ。風を使わないためホコリが舞うことなく、音もない冷暖房機となっている。このシステムにより、館内は常に45~55%の快適な湿度に保たれているという。
快適に過ごすために、光冷暖システムの他にもさまざまなこだわりが詰まっている。グレートモーニング代表の二枝たかはる氏は、「グレートな朝を迎えてもらうために、寝具やタオルもこだわりのものを使っています。京都の老舗寝具メーカーと開発した羽毛布団はグラム数まで調整しており、世界初の寝心地を体験できると思います」と語る。
2019年9月に熟睡できる部屋環境を提供している宿泊施設が認定される「眠りにいい宿」として最高ランクの三つ星を獲得したというこのホテル。果たして寝心地は?
音のない部屋
室内に入ってみると、その静かさに驚いた。外の雨の音がほとんど聞こえず、静かに耳を澄ますと水の音がささやかに聞こえるほどだった。冷蔵庫も戸棚の中にあり、動作音も聞こえない。
部屋にある光冷暖パネルは触れてみるとじんわりと暖かく、試しに冷房にしてみると少しずつ冷たくなり部屋の温度も下がった。室内はどこにいても暖かく、過ごしやすい温度。ホテルといえば乾燥しているイメージだが、特に乾燥が気になることもなく、楽な格好そのままの状態で過ごすことができる。
バスルームに備え付けてあるタオルは、愛媛県今治市のメーカーと共同開発した竹布のオーガニックタオル。ふんわりと柔らかくも吸水性が良く、風呂上りの濡れた髪をすぐ乾かすことができた。
アメニティも充実しており、トゥースペーストは非常時には食べられるほど天然素材にこだわって作られているそう。男性用の髭剃りは4枚刃で肌にやさしいものとのこと。
コーヒーや煎茶、紅茶が備え付けられており、冷蔵庫の中にあるものは飲み放題。部屋から出ずにゆったりと過ごせた。
こだわりのベッドは、マットレスに沈み込むことなく、寝やすい姿勢を保ってくれる。ベッドが硬くて眠れないということはなさそうだ。
こだわりは朝食まで
翌朝はすっきりと目覚めた。普段は二度寝に勝てない筆者だが、深い眠りに落ちていたようだ。部屋は暖かく、乾燥は気にならなかった。暖房が効きすぎて頭がぼーっとすることもない。心地よく目覚めるとルームサービスで朝食が運ばれてきた。
朝食は和と洋のどちらかを選ぶことができる。洋食は、福岡の老舗洋菓子店「チョコレートショップ」のチョコレートを使ったクロワッサン。毎朝焼きたてでお店から届けられているそうだ。オレンジピールが入ったチョコレートは、寝起きの体に染み渡るおいしさ。
和食は、72時間発酵させた玄米のおにぎり。少し甘みのあるもちもちとした食感で、お腹にもやさしそうな味わい。味噌汁や漬物もついていて、幅広い年齢から人気の朝食とのこと。
チェックアウトは少し遅めの11時まで。部屋でゆっくり過ごしたり、準備をしたり、余裕をもって出かけられそうだ。
一晩泊まってみて感じたのは、とにかく静かで自分のペースを保てる場所だということ。光冷暖システムで適切に管理された室温は過ごしやすく、温度をこまめに切り替える必要がない。防音効果が高いため、集中して物事に取り組みやすい環境だった。
スポーツ選手やコンサート前の音楽家などが宿泊することもあるという「グレートモーニング」。大会や商談など、勝負の日は最高のコンディションで臨みたいもの。福岡に訪れた際には、良い眠りを体験してみては?
●information
HOTEL GREAT MORNING HAKATA
〒812-0025 福岡県福岡市博多区店屋町6-3