人気子ども番組『おかあさんといっしょ』(NHK Eテレ)の劇場版最新作『映画 おかあさんといっしょ すりかえかめんをつかまえろ!』(1月24日公開)。同作のプロデューサーを務めたNHKエデュケーショナルこども幼児部統括部長・古屋光昭氏が、“第四の壁”と子どもを夢中にさせる“ある仕掛け”を明かした。

  • おかあさんといっしょ

    『映画 おかあさんといっしょ すりかえかめんをつかまえろ!』

「映画館でいっぱい遊ぼう!」というコンセプトのもと、親子で楽しめる体験型ムービーとして制作された本作は、「どうやって小さな子どもを映画に参加させ、親子で楽しい時間を過してもらうか」が重要な鍵となる。

「大人は普通どのように映画を観ているかというと、ゆったりと席に座り、スクリーンの向こうに繰り広げられる物語や冒険を、『鑑賞』していることがほとんどだと思います。映画は、今ここで起こっている出来事ではなく、現実とは別ものとして受け止めており、舞台や映画と言った『フィクション』と、観客席すなわち『現実』との間には、概念上の見えない“第四の壁”がある、と言われています」

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ストーリーや世界観などで感情移入する大人に対して、子どもはフィクションと現実の境界線が曖昧で、ストーリーについていくことが難しい上に画面を見続ける集中力も十分に備わっていない。そんな子どもを引きつけるため、同作では「画面から直接視聴者に語りかける手法」を取り入れている。

また、そのほかにも「具体的に参加できる要素」として、劇中には大人気の体操「からだ☆ダンダン」「ブンバ・ボーン!」、手遊びでおなじみの「パンダうさぎコアラ」「こぶたぬきつねこ」、そして「おまめ戦隊ビビンビ~ン」など、おなじみの人気曲が多数登場。すりかえかめんやお兄さんとお姉さんたちから、映画館の子どもたち、お母さん、お父さんたちに様々な指令が飛び、周りにいるお友達といっしょに力を合わせて物語に参加できる様々な仕掛けが散りばめられている。

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「どんな仕掛けを作れば、子どもが参加できるのか、例えばどう問いかければ答えを言ってもらえるのか、親に一緒に歌ってもらうためにはどうするのか、劇場でどんな遊びが考えられるのか、そもそも参加するとはどういうことか、心理的についていく仕掛けは出来ないのか、など様々なアイディアを出し合いました」

ストーリーありきで参加要素を盛り込んでいったのではなく、そこで出たアイディアを活かせる形で、映画全体のストーリーを構築していった。劇中では、「一緒に●●しよう!」や「●●してね」という指示など終始何かが進行し、そこに参加することで自然と子供を夢中にさせる。

「この映画は、『映画を観る』のでなく、『映画に参加する』映画です。親子が共に味わう体験をし、親子の幸せな時間、楽しい思い出が増えてくれれば本望です。そんな新しい映画のあり方を提供できればと思います」とアピールする古屋プロデューサー。その言葉通り、歌・体操・クイズと様々な方法で映画に参加することができるほか、映画の最後には記念撮影タイムも設けられ、小さな子どもの“映画館デビュー”にも最適な作品に仕上がっている。

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(C)2020「映画 おかあさんといっしょ すりかえかめんをつかまえろ!」製作委員会