東京オリンピック・パラリンピックに沸く一年となりそうな今年2020年。実は、大手銀行が相次いで手数料引き上げに踏み切る年でもあることを、ご存知でしょうか。また、これまで無料が当たり前だった通帳が有料になったり、一定期間取引のない口座から維持費が引き落とされたりと、新たな手数料の導入も検討されています。

超低金利時代の今、ただでさえ利息がほとんど付かないうえに、手数料の負担が増える事態は避けたいものです。手数料で損をしないための、銀行の選び方を考えてみましょう。

  • 銀行手数料で損をしない方法とは?

    銀行手数料で損をしない方法とは?

手数料は、いつ、何にいくらかかっている?

銀行を利用することで、いつ、どのような手数料がかかっているのでしょうか。主な手数料を挙げてみました。

振込手数料

銀行を利用するときにかかる手数料の中で最も一般的なのが、振込手数料でしょう。一般的に、窓口よりATM利用の方が、また、現金よりもキャッシュカード利用の方が手数料は抑えることができます。振込手数料は、振込と同時にかかります。

ATM、CD(キャッシュディスペンサー)利用手数料

ATMやCDから現金の預け入れや引き出しなどを行うと、手数料がかかります。ただし、平日の時間内であれば、手数料無料で利用できます。コンビニATMでは、銀行ATMでは無料で利用できる時間帯でも、手数料がかかることがあります。なお、残高照会や暗証番号の変更などの手続きは、無料で利用できます。ATMやCDの利用手数料は、利用と同時に引き落とされます。

キャッシュカード、通帳再発行手数料

キャッシュカードや通帳を再発行する際も、手数料がかかります。窓口で再発行する際は、その場で手数料がかかります。インターネットを経由しての再発行では、インターネットバンキングの口座から手数料が差し引かれます。

その他手数料

これらのほかにも、手数料はあります。たとえば、通帳のないインターネットバンキングの過去の入出金明細書を発行する場合、発行手数料がかかることがあります。手数料は、インターネットバンキングの口座から引き落とされます。

次に、これら手数料はどのくらいかかっているのでしょうか。メガバンクの一つである三井住友銀行の場合、以下のようになっています。

【振込手数料】
・三井住友銀行同一店…無料
・三井住友銀行本支店…110円
・他行あて…3万円未満/220円、3万円以上/440円
(※当行キャッシュカードから個人で振込)

【ATM、CD(キャッシュディスペンサー)利用手数料】
・三井住友銀行の本支店ATMを利用
<平日>
8 : 45以前、18 : 00以降…110円
8 : 45~18 : 00…無料
<土日、祝日>
終日110円
(※個人の入金、振込は時間外手数料が無料)

・イーネットATM、ローソン銀行ATM、セブン銀行ATM、ゆうちょ銀行ATM等を利用
<平日>
8 : 45前、18 : 00以降…220円
8 : 45~18 : 00…110円
<土日、祝日>
終日220円

【キャッシュカード、通帳再発行手数料】
1,100円

手数料を無駄にしない銀行の選び方

これらの手数料を少しでも抑えたいなら、おすすめなのは店舗や自社ATMを持たない「ネット銀行」を利用することです。メガバンクの場合、コンビニATMからも利用できますが、街中や駅前など利便性の高い場所に店舗やATMが一定数あるため、コンビニATMよりもそれらを利用してもらいたい狙いがあります。そのため、コンビニATMの手数料は高めの傾向にあります。

それに対し、ネット銀行は、店舗や自社ATMを持たないことから人件費や維持費等を抑えられていることで、手数料が格安で利用できるものが多いのです。

冒頭にも触れたように、大手銀行では、相次いで手数料の値上げが予定されています。たとえば、三菱UFJ銀行では、2020年10月以降に新規開設された口座を対象に、2年間取引がない場合には、管理手数料として年1,200円(税別)を自動的に引き落とす方針を固めています。また、みずほ銀行では、2020年3月より、預金残高などに応じて3段階のステージがある「みずほマイレージクラブ」が大幅に改定されます。これにより、優遇が縮小し、手数料は実質的に値上げとなります。

おすすめのネット銀行3選

こうした大手銀行の手数料増を考えれば、ネット銀行を利用する価値はなおさらありそうです。では、ネット銀行の中でもどの銀行がお得なのでしょうか。選び方には様々なポイントがありますが、コンビニATM手数料や振込手数料を基準に見ていくと、おすすめは以下の3行です。

東京スター銀行

東京スター銀行では、コンビニのほかメガバンク、ゆうちょ銀行のATMからの出金手数料が、月8回までなら無条件で無料となっています。さらには、明細書の郵送をストップすると、振込手数料が月3回まで無料になるというサービスもあります。会員ランクによって手数料無料の回数が決まる銀行が多い中、出金手数料は無条件で、振込手数料は明細書の郵送停止でクリアできるのは、嬉しいですね。

楽天銀行

楽天銀行では、「楽天ハッピープログラム」のランクによって、ATM出金手数料や振込手数料が変わります。ランクのうち「プレミアム」は、ATM出金手数料と振込手数料がそれぞれ月2回まで無料となりますが、預金残高50万円以上でクリアできるため、比較的達成しやすいでしょう。さらに、楽天銀行を給与振込口座に指定すると、月3回まで他行あて振込手数料が無料となります。使わなかった振込手数料の無料回数は、翌月まで持ち越せる点も便利です(月の無料回数は最大5回まで)。

ソニー銀行

ソニー銀行では、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート(E-net)、ミニストップ(イオン銀行)に設置されているコンビニATMからの出金手数料が、月4回まで無料となります。なお、ゆうちょ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行のATMからも同じ条件で利用することができます。

銀行を選ぶときに気を付けたいこと

大手銀行と比較してみると、ネット銀行の手数料は割安であるうえ、様々なサービスも付帯していて魅力的に感じるのではないでしょうか。ユニークな特典を付けているところもありますので、銀行を選ぶ際は、手数料だけでなく、利便性も考慮して検討してみましょう。

また、大手銀行でも、ネットバンキングの手数料は引き上げの対象とならず、引き続きお得に使えるものが多いです。ネット銀行や大手銀行のネットバンキングなど、インターネットを利用した取引に注目すると、手数料を抑えながら銀行を利用できるのです。