キヤノンは2月4日、現実世界と3DCGをリアルタイムに融合できるMR(Mixed Reality:複合現実)の最新技術を、「第28回3D&バーチャル リアリティ展(IVR)」に出展すると発表した。会場では、日本市場で販売するMR HMDの最上位モデル「MREAL Display MD-20」の展示などを行なう。IVRの会場は幕張メッセで、会期は2月26日~28日まで。
2020年2月21日
新型コロナウイルスの影響により、キヤノンは出展を中止しました。合わせて、展示予定だった「MREAL Display MD-20」に関する技術を紹介するWebコンテンツを公開しています。
キヤノンのMRシステム「MREAL(エムリアル)」はビデオシースルー方式を採用しており、HMDに内蔵したカメラのCMOSセンサーが捉えた現実の映像と、仮想空間の3DCG映像をコンピューターを使ってリアルタイムに合成し、HMDに表示。これにより、現実世界とCG映像を違和感なく融合させ、「あたかも(CG映像が)目の前の現実に存在しているかのような臨場感」を実現するという。
このMRシステムは、自動車メーカーをはじめとする製造業において、デザインや設計データの試作回数を減らし、コスト削減を可能にする業務支援ツールとして活用されている。
今回、キヤノンが3D&バーチャル リアリティ展に初出品するMR HMD「MREAL Display MD-20」は、独自に開発したグローバルシャッター搭載のCMOSセンサーを採用したことで、現実世界の映像を歪みなく正確に捉え、ユーザーの動きに追従する。また、表示パネルの色域拡大により、現実に近い色味や質感でCG映像を表示できるという。さらに、視野角は水平方向に約70度、垂直方向に約40度の広画角を実現。現実に近い作業姿勢や感覚での確認や検証を可能にした。
最新のソフトウエアとして基盤ソフト「MREAL Platform」も紹介。MD-20に搭載したグローバルシャッターCMOSが捉えた、ブレの少ない映像から特徴点を抽出し、ユーザーの位置と視界を特定する空間地図をリアルタイムに生成。3次元の位置や姿勢を計測するマーカーや光学式センサーを周囲に設置せず、HMD単体での高精度な位置合わせを実現する。
ほかにも、高精度な位置合わせなどの性能に加え、さらなる小型・軽量を目指して開発中の「MREAL」シリーズのエントリーモデル(HMDのプロトタイプ)も参考出品する。