モデル・女優の水原希子が世界を旅するHuluオリジナルドラマ『ブラを捨て旅に出よう~水原希子の世界一周ひとり旅~』(全6話)。第1話の冒頭で、水原は「私ってたまに炎上しちゃったりとか、ネットニュースとかで有ること無いこと書かれたり、いろいろ誤解されてる部分があると思うんですよ」と切り出している。

そうした中で、今回旅に出たのは、素の自分をさらけ出すことによって、誤解を解く狙いもあるのだろうか。本人に話を聞いてみた――。

  • 水原希子

    水原希子 撮影:蔦野裕

■イメージは「多少なりとも変わるんじゃないかな」

「私自身、めちゃくちゃテレビに出ているわけじゃないし、TwitterやInstagramもやってるけど、実際にしゃべったり動いたりしているところを見ないと、その温度感って伝わらないかなと思ってるんです。Twitterで何かをつぶやいても、人によって受け取り方が違うし、文字だけだとやっぱり伝わらないところがある」と、SNSのジレンマを語る水原。

一方で、今回の『ブラを捨て旅に出よう』は、ジャンルとしては“ドラマ”と謳っているものの、台本には筋書きが記されている程度。水原の本能に任せて旅を展開する“ドキュメンタリー”の要素が強く、素の自分をさらけ出している。

撮影では、ほとんど演技することがなかったといい、「今回実際に旅をして、本当に自分をさらけ出すしかないし、隠す部分もありませんでした。特にインドは、いろいろなことを取っ払っていくしかなくて、体当たりで挑んでいるので、本当の私がどういう人なのかっていうのは、すごく見えてくる部分だと思います」といい、「私に対してのイメージっていうものが、多少なりとも変わるんじゃないかな」と期待をかける。

それでも、「結局、人がどう捉えるかというのは私がコントロールできる部分ではないので、受け取り方はその人次第。そこはもう好き嫌いの話になってくるので(笑)」と、冷静な視点を忘れない。

■口論し合えるマネージャー「お互い完璧じゃない」

そんな彼女は、ゲスト出演した『アウト×デラックス』(フジテレビ系、1月16日放送)でも、素をさらけ出していた。『ブラを捨て旅に出よう』のロケ中、マネージャーのミミさんが、喉の弱い水原に、中国・成都で漢方の飴を買ったと伝えたが、気温の低いアゼルバイジャンで水原がその飴を求めると「持ってきてないです。申し訳ないですけどあれは私のお菓子であって、希子さんに厚意であげているだけであって、私が持ってくる義務はないので」とまさかの抵抗を見せたことから、口論になってしまったという。

今回のロケ中でのミミさんとの衝突は、実はこれにとどまらず、インドのガンジス川でも。水原が沐浴を体験したいが、水質汚染に不安を抱える中、「私は汚染についてすごい調べてたんですけど、(ミミさんは)全然調べてなくて。『マネージャー的にそれはどうなの?』って言ったら、『まあ、結局希子さんが決めるので』みたいな感じで。私は不安をぶつけたかったんですけど、結構さらっと流されちゃいました(笑)」とエピソードを教えてくれた。

タレントとマネージャーが、このように対等なのは珍しい。この関係性が構築された背景を聞くと、「私はドラマに入ると、役柄もあってぶつかりたくなって、当たっちゃったりするんです。でも、それをミミさんが乗り越えてきてくれたのが大きいですね。あと、ミミさんと私はお互い完璧じゃないから、そこを指摘し合いつつ、笑い合いつつ、でも尊敬し合いつつという感じなんです」とのこと。

さらに、「旅行にもいっぱい行っているので、いつの間にか家族みたいになっちゃいましたね。私にはもう1人スタッフがいて、それはミミさんのいとこなんです。そこに私が入ると姉妹みたいな感じになるんです」「この7年、ずっと一緒に過ごしてきて、悔しいときもうれしいときも、泣いたり笑ったり、全部一緒に見てきているので、こういう感じになりました(笑)」と、長い年月をかけて作られた濃密なパートナシップであることを明かした。

●水原希子
1990年、米テキサス州に生まれ、神戸で育つ。03年から『Seventeen』の専属としてモデル活動を開始し、10年公開の映画『ノルウェイの森』で女優デビュー。13年のNHK大河ドラマ『八重の桜』でテレビドラマ初出演を果たし、以後『進撃の巨人』(15年)、『信長協奏曲』(16年)などの映画、『嘘の戦争』(17年)、『グッドワイフ』(19年)などドラマに出演する。