KDDIは1月31日、2020年3月期 第3四半期決算を発表しました。登壇したKDDI 代表取締役社長の高橋誠氏は、「5G通信の料金プランについて」「楽天モバイルの料金プランについて」「楽天との関係について」「キャッシュレス業界の動向について」「コロナウイルスの影響について」所感を述べました。
今期と今後の業績予想について
KDDIの1-3Q 連結業績について、営業利益は8,439億円でした。髙橋社長は「業績は高進捗です。今後の持続的成長に向けて準備を強化していきます」と説明。ライフデザイン領域、およびビジネスセグメントの増益が続いており、「成長領域が業績をけん引している状況」(高橋社長)と評価しています。
今後の業績予想については、「営業利益の着地点を1兆200億円と定めています。来年度ですが、4月に楽天さんが入ってくる。ソフトバンクさんもPayPayに力を入れていらっしゃる。そのあたりにしっかり対抗できるよう、エンゲージメントを高めるべくコストを使っていきたい。au PAYにおけるキャンペーンにコストをかけ、3G回線の巻き取りも積極的に推進していきます」としました。
5G時代の料金は?
KDDIは先日、データ容量が無制限の「auデータMAXプランPro」について値下げを発表したばかり。来たるべき5G時代を意識した値下げか、と聞かれた高橋社長は「5Gの料金プランについて、詳しくは3月にお話します。アンリミテッドのプランを値下げした意図としては、他社とは違ってうちはアンリミテッドであること、そこに特徴を持たせている。そこで高止まりしていた料金水準を、よりお客様に受け入れてもらいやすい料金水準に設定したということです。もちろん、この延長線上に5Gの料金プランがあると思っています」。ちなみに、NTTドコモは1月1日より「ギガホ増量キャンペーン」を実施し、通信容量を30GBから60GBに増量していますが、むしろこっちを意識したと高橋社長は語ります。
注目の5G時代の料金プランについては「投資コストもかけていきます。だからARPUを上げていきたいと思う。4G LTEの料金プランより若干、ARPUが上がるような、そこに結びつくような料金設定にしていければ」。詳細については「いま議論しているところ」と繰り返し、具体的な明言は避けました。
5Gのサービス展開については、「最初の段階ではエリアも広くありません。ショーケース的な見せ方になるのでは。夏から秋のタイミングには、5Gに対応した端末もそろってくると思います。4G LTEを立ち上げたときは、端末がスマートフォンに変わるタイミングだったので差別化がしやすかった。今回は、5Gになると何が良くなるのか、について丁寧に説明していきます。端末の進化、データのスピードが速くなること、コンテンツ自体がよりリッチになること。サービスが形を変えていきますので、そのあたりをコンテンツプロバイダと一緒にどう表現していくかが鍵になると思います」。