エン・ジャパンはこのほど、「ミドルの異業種転職」に関する調査結果を明らかにした。同調査は2019年11月29日~12月29日、35歳以上の1,808名を対象にインターネットで実施したもの。
異業種転職に興味はあるか尋ねたところ、88%が「興味がある」と回答した。業種別に見ると、「興味がある」と回答した人が最も多いのは「金融」(93%)で、最も少ないのは「建設・不動産」(81%)だった。
「異業種転職に興味がある」と回答した人にその理由を聞くと、「仕事の幅を広げたいから」(55%)、「知識・スキルを磨きたいから」(48%)、「年収水準の高い業種へ移りたいから」(40%)が上位を占めた。
年収別に見ると、「年収1,000万円以上」と「年収1,000万円未満」で10ポイント以上差が出たのは、「年収水準の高い業種へ移りたいから」(年収1,000万円以上:26%、年収1,000万円未満:43%)、「セカンドキャリアを築くため」(同:39%、29%)だった。
異業種転職で懸念することを尋ねたところ、1位は「業種未経験でも選考が通るか」(68%)、2位は「これまでの経験・スキルが通用するか」(51%)、3位は「年収が下がらないか」(45%)だった。
「年収1,000万円以上」と「年収1,000万円未満」で10ポイント以上差が出たのは、「業種未経験でも選考が通るか」(年収1,000万円以上:59%、年収1,000万円未満:71%)となっている。
「異業種転職に興味がある」と回答した人に興味のある転職先の業種を聞くと、最も多い回答は「メーカー」(42%)で、「商社」(34%)、「コンサルティング」(33%)が続いた。年収別に見ると、年収1,000万円以上の1位は「コンサルティング」(42%)で、年収1,000万円未満の1位は「メーカー」(43%)だった。
異業種転職の有無について尋ねると、54%が「ある」と回答した。経験者に異業種転職してよかったことを聞くと、「知識やスキルを磨けた」(61%)、「仕事の幅が広がった」(57%)が多くを占めた。
異業種転職の経験者に、異業種転職をして苦労したことを聞くと、最も多い回答は「異なる習慣・風土になじむこと」(58%)で、「新しい知識・スキルを身につけること」(52%)、「実績のない中でイチから信頼を積むこと」(50%)が続いた。
年収別で5ポイント以上差が出た項目は、「新しい知識・スキルを身につけること」(年収1,000万円以上:46%、年収1,000万円以下:53%)、「即戦力としての活躍を求められること」(同:35%、28%)、「教育環境が整っていなかったこと」(同:15%、25%)だった。
前職で培った能力・スキルで異業種転職後に役立ったものについて尋ねたところ、「情報収集・分析など現状把握力」(54%)、「予期せぬ状況への対応力」(44%)、「スケジュール管理など課題の遂行力」(41%)が多かった。
実際に異業種転職で成功した人からは「一から覚える事がたくさんあり、極めて集中して仕事に取り組めた」(40代男性/年収1,000万円未満)、「異業種未経験を受け入れている企業では、研修制度が充実している」(40代女性/年収1,000万円以上)、「以前の倍以上の年収が提示された」(40代男性/年収1,000万円以上)という声が寄せられた。
一方、異業種転職で苦労した人からは、「常に自分から学ぶ姿勢でないと取り残される」(30代男性/年収1,000万円未満)、「未経験の分野であるため、業界の常識に馴染むには時間と労力が必要」(40代男性/年収1,000万円未満)、「前職のスキルを活かせる領域を自分で見つける努力をする」(30代男性/年収1,000万円以上)といった声が挙がった。