『ペンギン・ハイウェイ』(2018)で第42回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞、ファンタジア国際映画祭 今敏賞(ベストアニメーション賞)を受賞したアニメーションスタジオ「スタジオコロリド」が手掛ける長編アニメーション映画第2弾『泣きたい私は猫をかぶる』の公開が2020年6月5日(金)に決定。ティザービジュアル&特報映像が公開された。
これは、「本当の自分」を見つける物語。クラスで「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれるちょっと変わった中学2年生・笹木美代(ささき みよ)。彼女はまっすぐで熱烈な恋に落ちている。思いを寄せるクラスメイトの日之出賢人(ひので けんと)に毎日、果敢にアタックを続けるが全く相手にされない……。それでもめげずにアタックを続ける彼女には誰にも言えないとっておきの秘密があった。伊勢湾を目の前に臨み、焼き物で栄えた街並みが印象的な愛知県常滑市を舞台に繰り広げられる、ちょっと不思議で、観客に幸せを届ける物語。
本作においてW監督を務めるのは、「美少女戦士セーラームーン」シリーズ、「ケロロ軍曹」シリーズなども手掛けた日本アニメ界の重鎮である佐藤順一と、スタジオジブリで『千と千尋の神隠し』に携わった新進気鋭のクリエイターである柴山智隆。そして、脚本は、キャラクターの繊細な心情の描写に定評がある岡田麿里が担当する。
注目のメインキャストは、主人公のムゲ(笹木美代)役を志田未来が担当。今回演じるムゲ(笹木美代)について、「自分の気持ちを素直に出す明るくまっすぐな女の子です。ただ、思春期ならではの幼さやギャップも見られますが、その全てがムゲの魅力だと思います。」とコメント。さらに、ムゲが変身する猫「太郎」の“鳴き声”も映画全編にわたって志田が演じており、今回公開された特報でも注目のポイントとなっている。誰にも言えないとっておきの秘密を抱えながら恋をする「女の子」と「猫」の感情をどう演じるのか期待が高まる。
もう一人の主人公である日之出賢人役は花江夏樹がん担当。日之出賢人について、「思っていることを全面に出せない男の子。そこから意思がだんだん変わっていって、一人の少年から青年の気持ちに移りかわっていくところが魅力的だなっていう風に思います」と、誰もが感じたことのある思春期独特の感情を持ち合わせたキャラクターであると語っている。
あわせて公開されたティザービジュアルには、猫のお面を持って落ちていく“ムゲ”。とあることから猫に変身できる不思議なお面を手にしたムゲは、猫になって大好きなクラスメイト・日之出【ひので】のところへ会いに行くことに……。猫の姿だと一心に愛でてくれる日之出に対して幸せな気持ちを募らせていくムゲは、日之出の部屋まで会いに行ったり、胸に飛び込んだりと愛情を全身で表現する。2人は猫と人間のまま心を通わせていくが、魔法のような時間はそんなに長く続かなかった……。ティザービジュアルではどこか切なげな表情を見せるムゲ。果たしてムゲは「本当の自分」を見つけることができるのか?本作は思春期に誰もが感じたことのある感情と、ちょっと不思議で、だけど愛おしいそんな物語。
●メインキャスト&メインスタッフのコメントを紹介
◎志田未来(ムゲ/笹木美代【ささき・みよ】、猫/太郎役)のコメント
【出演が決まった際の感想】
今回、ムゲ役をやらせていただけると聞いて、びっくりしました。さらに花江さんとご一緒させていただけるということで、すごくプレッシャーも感じましたが、本当に嬉しかったです。
【演じたキャラクター“ムゲ”について】
本当に明るくて、まっすぐな女の子だなと思いました。今時珍しいくらい自分の気持ちを素直に出す子なので、観ていてすごく気持ちのいい子です。ただ、周囲からの愛に気づけていない幼い部分があったり、学校などで見せる外の顔と自分の部屋にいる時に見せる内の顔にギャップも見られます。そんなムゲの全てが魅力的に描かれていると思いました。
【観ていただく方へのメッセージ】
この作品は、一歩踏み出す勇気をあたえてくれる作品になっていると思います。ムゲが猫になった姿もとっても可愛いらしいので、是非楽しみにしていてください。
◎花江夏樹(日之出賢人【ひので・けんと】役)のコメント
【出演が決まった際の感想】
すごく雰囲気がいい作品というか、日常をきりとっているんですけど、すごくファンタジーがあって、そこの絶妙な感じがすごく素敵な作品だなと思いました。たくさん猫が出てくるのですが、僕も猫がめちゃくちゃ好きなので、これは運命的な作品かなと思いました。すごく演じられるのが楽しみでしたし、志田さんとこうして共演させていただけたのもすごく光栄だなと思いました。
【演じたキャラクター“日之出”について】
日之出は思っていることを全面に出せない男の子で、将来の夢とかこれから先の未来をどう進んでいくか、まだ決めかねている。中学生らしいといえばらしいのですが、ムゲから日之出に向けられた気持ちに、なかなか気づいてあげられなかったりとか。そういう思春期真っただ中の、男の子だなと、思います。そこが彼の良さでもあるのですが、そこからどう気持ちが変わっていくかとか、意思がだんだんかわっていって、一人の少年から青年の気持ちに移りかわっていくところが、魅力的だなと思います。
【観ていただく方へのメッセージ】
この作品には、コミュニケーションをとるときに、あと一言言えたらどれだけ楽になれるかという、誰にでもある気持ちやメッセージが込められています。日常をきりとったきれいな映像の中で、猫の世界に行ったり、猫になってしまったりという現実離れしたファンタジーの要素も加わったすごく魅力的な作品なので、是非楽しみにしていてください。
◎監督:佐藤順一のコメント
もし猫だったらもっと楽に生きられるかもしれない。まわりにあわせて自分の心にふたをしたり元気なふりをしたり、笑顔をはりつけたりしなくていいから。うまくやれなくて波立つ心を絶えず隠して陽気にふるまう少女を志田未来さん、波立つ心を自ら押さえつける少年を花江夏樹さんが、自然さとヒリヒリした痛みが同居する二人を鮮やかに演じてくれました。
◎監督:柴山智隆のコメント
「ムゲと日之出と猫たちを、煙突の立ち並ぶこの街にありありと描きたい。まだ見ぬ“となりの世界”も」 佐藤監督をはじめ、信頼できるスタッフと試行錯誤しながら少しずつ積み上げていく作業は面白く、スリリングな毎日でした。 ムゲたちが生きる世界と時間を少しでも身近に感じていただけたら嬉しいです。
◎脚本:岡田麿里のコメント
佐藤監督の匠の技と、柴山監督の作品への深い愛情、スタッフひとりひとりの日々の情熱により、どこか懐かしい作品が生まれました。主人公のムゲというあだ名は、無限大謎人間の略です。謎の多い状況のなか、謎と思われているムゲの成長を、劇場でご覧いただけたら幸いです。
●『泣きたい私は猫をかぶる』特報映像
スタジオコロリドが手掛ける長編アニメーション映画第2弾『泣きたい私は猫をかぶる』は、2020年6月5日(金)より全国公開予定。各詳細は公式サイトにて。
(C) 2020 「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会