米ラスベガスで開催された「CES 2020」で発表されたDellの新型ノートPC「New XPS 13」が1月24日、国内で日本メディア向けに披露された。

  • 「New XPS 13」2020年モデル

新しくなった「New XPS 13」の特徴は?

デルのノートPCの中でもプレミアムに位置づけられるXPSシリーズ最新モデル。16:10の13.4型画面を備えながら、11型ノート級のフットプリントでシリーズ史上最小、最薄を実現した。

  • 新しいNew XPS 13は4辺の超極細ベゼルが印象的だ。なお、本体の厚み(14.8mm)はこの2020年から、ヒンジ付近の手に持つ部分を指すようになっている

画面は現行の2019年モデルから6.8%拡大したが、本体の4辺サイズは2%縮小した(つまり本体サイズはほぼそのままで画面だけ大きくなった状態)。4辺フレームレスデザインとなる狭額ベゼルは特筆すべき細さで、ほとんどベゼルの存在を感じさせない。加えて小型の顔認証カメラも、細い上ベゼルに内蔵した。新モデルの主な強化点は下記の通り。

  • 上ベゼルに顔認証対応カメラを内蔵

新モデルと現行モデルの主な違い
  新New XPS 13(9300) 現行XPS 13(7390)
CPU 第10世代Intel Core i5 / i7 第10世代Intel Core i3 / i5 / i7
メモリ 8~32GB 4~16GB
ストレージ(M.2 PCIe SSD) 512GB / 1TB 256GB / 512GB / 1TB
グラフィックス Intel UHD Graphics / Intel Iris Plus Graphics Intel UHD Graphics 620
画面サイズ 13.4型(16:10) 13.3型(16:9)
解像度(ドット) 1,920×1,200 / 3,840×2,400 1,920×1,080 / 3,840×2,160
生体認証 顔認証 / 指紋認証 指紋認証
本体サイズ 295.7×198.7×14.8mm 302×199×15.8mm
重さ 1.2kg~
タッチ対応で1.27kg~
1.16kg~
4K対応で1.23kg~

このほか、輝度やコントラストの向上、キーボード・タッチパッドの拡大なども特徴だ。キーボードは現行と比べ両端までスペースを拡大しており、キーキャップで9%、タッチパッドは17%大きくなり、格段に操作しやすそうな印象。素材となるカーボンファイバー(ブラック)、グラスファイバー(ホワイト)、本体のアルミ削り出しは、XPSシリーズのコンセプトとしてこだわり、踏襲している。

一方、インタフェースはThunderbolt 3×2のみで、現行からType-Cが1基減ったほか、バッテリ駆動時間が現行の19時間~よりわずかに短い18.5時間~となっている。

  • New XPS 13(右)と現行のXPS 13(左)。狭額縁ディスプレイに加え、キーボードやタッチパッドの面積が拡大し、印象が大きく変わった。個人的には新モデルの発売時期、価格と合わせて、併売される現行モデルの価格にも注目していきたい

  • New XPS 13の下ベゼル(左)は現行(右)から細くなり、DELLロゴも省かれた

  • 電源ボタンは指紋センサー兼用で、右上に搭載。ややキー配置が変則的となり、慣れないと[Delete]と間違えて電源を押しそうになるかもしれない。顔認証と指紋認証が両方使えるのは、例えばマスクや手袋を着けているときに補完的な認証として活躍しそうだ

  • 大きく変わった下ベゼルとキーボード周辺。キーボードはエッジ端までスペースが取られ、キーキャップやタッチパッドのサイズが拡大し使いやすそうだ

  • New XPS 13のインタフェース電源ボタンやThunderbolt 3×2の搭載とかなりシンプル

  • New XPS 13のホワイトとブラック

  • 今回注力するホワイトモデルは即納モデルも用意。写真は英語配列キーボードだが、日本語配列も用意する

  • ホワイトモデルの天板

  • ブラックモデルの天板(左)とホワイトモデルの天板(右)

  • ディスプレイを最大に開いた状態。180度までは開かず、やや手前で止まる

  • 販売時の外箱。箱の天面はかぶせるように蓋をするヒンジ型パッケージになる

  • プレミアムモデルとして、同梱品を収納する専用スペースも設けた

日本でも「近日発売」、現行モデルも併売へ

国内向けのNew XPS 13(9300)は、第10世代Core i5 / Core i7の2つのプロセッサが選択可能。メモリは8GB~32GB、ストレージは512 / 1TB M.2 SSD、ディスプレイは1,920×1,200ドット / 3,840×2,400ドットが選択できる。現行モデルではCore i3や4GBメモリ、256GBストレージが選択できたが、New XPS 13ではこれら下のクラスのラインナップは省かれる。

スマートフォンと連携する「Dell Mobile Connect」も搭載。2019年の同社コンシューマ向けPC全般に搭載されている同機能は、専用アプリでPCをBluetooth / Wi-Fi Directで相互接続し、スマートフォンの画面をミラーリング表示して操作したり、ドラッグ&ドロップ操作でスマホからPCへファイル転送したりできる。今まではAndroidのみの対応だったが、2020年春からはiOSにも対応するという。

狭額ベゼルの細さが際立つ本体デザインだが、外箱のデザインも一新している。従来の箱よりサイズが大きく、上から巻きつけるように蓋をかぶせる構造に変更した。コードなどの同梱品もそれぞれ専用の収納スペースが取られており、より“プレミアム感”が演出されている。

今回のNew XPS 13は、日本市場でホワイトカラーの需要が高いこと、そして女性層への訴求も狙い、特にホワイトモデルに注力。現行モデルではホワイトモデルは英語キーボードのみ用意したが、New XPS 13では日本語キーボードを追加し、最短で翌日出荷となる即納モデルも用意したという。

発売時期は未定だが「近日中」の見込みで、価格も未定だ。ただし現行モデルは併売するという。となると、New XPS 13は現行モデルの上位に位置づけられるため、価格もそれなりにプレミアムなものになる、かもしれない。

【記事更新】初出時、システム上の問題で記事の一部が非表示となっていたため、修正しました(2020年1月27日2:00)