実際の裁判映像や証言を手がかりに、殺害現場に残された証拠などから事件の謎に迫る人気シリーズの第13弾『世界法廷ミステリー~暴かれた完全犯罪~』(フジテレビ系、26日20:00~21:54)。今回は、チーフプロデューサーが“番組史上最悪の陰謀”と強調するまさかの展開に、翻ろうされてしまうはずだ。
今回もさまざまな衝撃の事件が取り上げられるが、特に注目なのは、後半に登場する「狙われた証言者」。警察に寄せられた緊急通報の電話越しに聞こえてきたのは、米・ミズリー州に住む女性・パメラの悲鳴と5発の銃声。現場に駆けつけた警察が目にしたのは、横たわる男の遺体だった。
家にあった護身用の銃で、自宅に侵入してきた男に向かって発砲し、パメラはなんとか助かったという。襲撃犯のズボンのポケットからは「彼女を殺せ…首にナイフが刺さったままにしろ」という犯行を指示したメモと現金900ドルが発見された。この「首にナイフが刺さったまま」というのは、パメラがその5年前に起きた殺人事件で行った被害者の状況に関する重要証言の内容。パメラへの襲撃は復讐(ふくしゅう)か、口封じなのか…。
しかし、VTRが進行するにつれ、衝撃の事実が続々と明かされ、真犯人の疑いのある人物が5人以上にまで膨れ上がる展開に。同番組で鋭い推理を展開してきた伊集院光も「これはもうお手上げですね」と降参宣言してしまうほどだ。
スタジオでは、伊集院に加え、カズレーザー(メイプル超合金)、川田裕美、長嶋一茂、夏菜、古市憲寿という面々が、MCの宮根誠司の“ミスリード”に惑わされ、「すごいことになってる!」「あり得ない!」と混乱しながら、ありとあらゆる角度から頭をフル回転させ、真相を暴こうとする様子が伺える。
ここまで本気になるのは、実際の映像などの素材を駆使したVTR構成によるリアルさから。防犯カメラや通報電話の音声などに加え、日本では考えられない被害者の事件現場の遺体写真(※モザイク処理)、犯人の法廷での姿、さらには警察での事情聴取の模様までが次々に映し出されるため、まるで本当の捜査官になった心境で事件と対峙(たいじ)できるのだ。
出演者がメモを取りながらVTRを見るのは、『世界ふしぎ発見!』の黒柳徹子くらいしか印象にないが、バラエティでの奔放発言の印象が強い一茂や夏菜が、メモを取りながら没頭している姿が見られるのは、この番組独特の現象と言える。
「狙われた証言者」は、真犯人が判明した後も、驚きの犯行動機の卑劣さが判明。それに加え、米在住の町山智浩氏による解説で、とどめの衝撃を与えられる事件だ。
裏番組では、明智光秀が主人公のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』が始まったばかりだが、“戦国史最大のミステリー”と言われる「本能寺の変」は、まだまだ先の放送。伊集院が「すごいサスペンスドラマの脚本家も書けない」と表現するこの事件、ミステリー好きはチェックしないわけにいかないだろう。
(C)フジテレビ