あす26日にカンテレ・フジテレビ系で生中継される『第39回大阪国際女子マラソン』(12:00~14:55)で解説を務めるシドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子が25日、大阪市内で会見を行い、大会の見どころなどを語った。

  • 高橋尚子

本大会は、今夏開催される2020年東京オリンピックのマラソン女子日本代表最後の1枠を争う選考会・マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジのひとつ。福士加代子(ワコール)、松田瑞生(ダイハツ)、小原怜(天満屋)ら有力選手が出場するとあり、例年を上回る激戦が予想されている。

五輪代表となるには、2時間22分22秒の設定記録を突破し、3月に行われる名古屋ウイメンズマラソンを含めて日本選手最速タイムをマークする必要がある。そんな本大会の戦いを、高橋は「最後までもつれ込む展開になると思うので、30キロ地点までいかに力を保った走りができるかがポイント」と予想。

注目選手として、MGCで3位につけ、ファイナルチャレンジで設定記録を切る選手が出なければ代表に内定する小原選手を挙げ、「3番手にもかからわず、出場することであえて自分にチャレンジし、何かをつかみたいという強い思いがあるのでは。『自分が行く!』という気持ちで仕掛けていくのではないかと思います」と期待を寄せた。

『大阪国際女子マラソン』は1997年、高橋が選手として初マラソンに挑んだ思い出深いレースでもある。「沿道の応援がものすごく明るくて、『何でそこで離れとんねん!』とか、選手を叱咤する声援も飛ぶ(笑)」と大阪を舞台にした大会ならではのエピソードを明かした高橋だが、「とても愛がある叱咤だと思うんです。なので、ペースが落ちていても、そこでもう一度立て直しができる。今回、大阪にゆかりのある選手が多く出場しているのは、そのパワーをもらいたいのではないかと思う」と分析。

「自分が応援してもらっていると思うと、選手も力が出る。でも、同じ名字の選手がいると自分のことだとはわからない場合もあるので、応援するときは、ぜひ下の名前かニックネームで呼んであげてください」と呼びかけ、笑いを誘った。

「選考会レースは一番苦しい時期。精神的にも肉体的にもつらい時間を、よくここまでがんばってきたね、と敬意を表したい」と選手たちを讃えた高橋は、いよいよ翌日に迫った大会に向け、「自分の経験を振り返ってみても、オリンピックは人生を変える大きな舞台。そこに向かって必死にもがく選手たちの姿から感じてもらえるものがあると思う。それをぜひ受け取っていただきたいし、伝えられる解説ができるようがんばります」と意気込んでいた。