東日本電信電話(NTT東日本)は、エヌ・ティ・ティ・アド、西日本電信電話(NTT西日本)、NTT アーバンソリューションズ、スカパーJSAT、タイトーとともに「株式会社NTTe-Sports」を2020年1月31日(予定)に設立する。
NTTe-Sportsでは、「ICT×eスポーツ」を軸に「eスポーツ施設」「サポート・教育」「プラットフォーム」「イベントソリューション」「地域の活性化コンサル」の5つの事業を展開し、地域の活性化を目指すという。
eスポーツ施設事業では、2020年7月以降に東京都にある「秋葉原UDX」の4階にeスポーツ施設を開設予定。コミュニティやプロ選手を誘致し、施設収益を確保するとともに地域拠点とつないだイベント開催などを目指す。
サポート・教育事業では、遠隔コーチングやバイタルデータ分析など、人材教育サポートや動画コンテンツ配信サービスの運用、プロチーム、学校、福祉施設向け講座といった教育カリキュラムを提供。プラットフォーム事業では、eスポーツの総合プラットフォームを構築し、イベント運営効率化やマッチング、動画コンテンツ配信などを予定している。
また、イベントソリューション事業では、大会の開催や地域イベントの運営など、eスポーツコミュニティ事業活性化コンテンツとして活用することを支援する。遠隔実況、AI解説などの技術を用いて、将来的には各地のリーグ立ち上げを目指す。
街の活性化コンサル事業では、eスポーツを通じた街づくり街のコミュニティ活性化を推進。地域のニーズに即したソリューションを総合的にコンサルしていくという。
具体的に決まっている取り組みとして、NTTe-Sportsは、2020年5月16日、17日に開催される「闘神祭2020 -World Championship of ARCADE-」において、ICT ソリューションの提供や、スカパーJSATのノウハウを活用した配信面の強化などを行う。
また、サードウェーブが提供する「eスポーツ部発足支援プログラム」においても、共同での提供拡大を実施。「新eスポーツ部発足支援プログラム」として、2020年2月3日からゲーミングPC「GALLERIA(ガレリア)」3台と高速通信回線「サードウェーブ光」をセットで、1年間無償提供する。無償提供期間終了後は、月額2万円(税別)で常に最新のeスポーツ環境を反映したPCを使用できる月額コースか、買取コース(金額は要問合せ)、または返却を選択。サードウェーブ光はNTT東日本、西日本の光回線を採用している。
設立発表会では、新会社で代表取締役社長に就任予定の澁谷直樹氏が登壇。「光ファイバーを活用した地方活性化に取り組んでいこうと地方の声に耳を傾けたところ、eスポーツで地元を盛り上げたいという声が多くありました。そこで、eスポーツイベントで通信環境、配信環境、運営の人材面でサポートできると思い、また、社内に業界ではちょっとした有名人である影澤という人間がいたこともあり、会社として取り組んでいこうと決めました」と、新会社設立の経緯を語った。
そのちょっとした有名人である影澤潤一氏は、秋葉原にあるeスポーツ施設「e-sports SQUARE AKIHABARA」で毎週水曜日に行われている『ストリートファイターV(ストV)』の対戦会「Fighter’s Crossover -AKIBA-(FCA)」というコミュニティイベントの主催者でもある。新会社では、取締役副社長に就任予定だ。
発表会ではeスポーツ分野におけるNTT東日本の取り組みや、NTTe-Sportsの事業、出資者の役割について説明。「NTTグループの知見やノウハウを最大限に活用するとともに連携を強化し、事業に取り組んでいきたい。ご期待いただければと思います」と、意気込みを述べた。
事業の紹介が終わったあとには、会社設立記念マッチ「Rising Stage」を開催。『ぷよぷよ』と『ストV』のエキシビジョンマッチを行った。
まずは『ぷよぷよ』で、国立病院機構 八雲病院に入院中の患者さんとNTT東日本の社内eスポーツチーム「テラホーンズ」メンバーが対戦。対戦と同時に、画像解析などを活用して見どころを自動的に表示する「クリップライブ」という開発中のサービスのデモを行った。「クリップライブ」は、ぷよを置いた量を可視化するグラフと、連鎖時にハイライトを表示するサービスだ。
続いて、『ストV』では、影澤副社長自らが、ゲストとして登場したグラビアアイドルの倉持由香さんとプロゲーマーのネモ選手と対戦。倉持選手との対戦では勝利を収めるも、プロゲーマーのネモ選手では一方的な試合展開で敗北を喫してしまった。
対戦を終えて倉持さんは「影澤さんは大会などの運営をされていたので、格ゲー界を支えるパパのようなイメージだったんですが、プレイヤーとしても強いのを再確認しました」と感想を述べた。また、ネモ選手は「これまで影澤さんがイベントを盛り上げてくれたおかげで、自分もプロになれたと思います」と影澤氏への感謝を伝えていた。