アメリカの代表的なクラフトビールメーカー「ブルックリン・ブルワリー」の世界初となるフラッグシップ店「B(ビー)」が2月1日、東京・日本橋にオープンする。これに先立ち、店舗でブルックリンブルワリー・ジャパン社が「2020年戦略発表会」を実施。店舗の詳細が明らかになり、人気のクラフトビールやメニューが紹介された。
クラフトビール人気は継続
「ブルックリン・ブルワリー」は1988年にニューヨークのブルックリン地区で設立され、世界で人気を博しているクラフトビールメーカーだ。日本では、2017年にブルックリン・ブルワリーとキリンビールの共同出資によってブルックリンブルワリー・ジャパンが設立され、全国販売を開始した。
発表会では、最初にキリンビールの布施孝之社長が登壇。2014年から力を入れてきたクラフトビール事業について振り返り、「クラフトビールは若者を中心に注目が集まっていて、徐々に定着しつつある。ビール市場自体は残念ながら縮小傾向にあるが、クラフトビールは大幅な成長を継続している」と述べた。
ビール類全体の販売量は2013年から2018年にかけて10%減少している一方で、クラフトビールは2倍に増加。クラフトビールを楽しめるお店は全国で急増し、飲用経験のある客も増えていることから、今後もビール市場を活性化する存在になりえると期待されている。
続いて登壇したブルックリンブルワリー・ジャパンの平岡敬規社長は、ブルックリンブランドの成長スピードが飛躍的に伸びているとし、その理由について「"BEER×MUSIC"や"BEER×ART"など、ビールをさまざまな文化と融合させたことで、間口を拡大してきた。飲用者の70%以上は20~30代で、これまでのビールユーザーよりも若いことが特徴だ」と話す。
また、来年のブランド戦略については「多様性を広げる新商品を発売すること、そして世界発のフラッグシップ店をオープンさせることに力を入れていく」と決意を語った。
ブルックリン・ブルワリーの世界観が広がる店内
世界初の出店となる「B(ビー)」は2月1日、東京・日本橋の兜町にある1923年に建てられた元第一銀行の建物内にオープンする。兜町と言えば、東京証券取引所があることや銀行発祥の地であることで知られているため、クラフトビールのメインユーザーである若者からは、かけ離れたイメージを持つ人も多いだろう。
「なぜ、兜町なのか」、その理由について平岡社長は「そもそもブルックリン・ブルワリーは、当時活気が失われていた街を活性化したいという思いで設立された。兜町も少しさびしい街になりつつあり、再び活性化したいという地元の人たちの思いと通じるものがある」と語る。
店名「B(ビー)」というシンプルな名称には、「ブルックリン」や「ビール」、「場」などさまざまな意味が込められているという。
店内では人気の定番商品に加えて、ここでしか飲めない直輸入ビールやオリジナルのビアカクテルなど、多様なビールを提供される。また、さまざまな文化との融合イベントも計画されていて、「ブルックリン・ブルワリー」の世界観や価値観を味わえる店になりそうだ。
まるでスパークリングワイン!? 二種のビールを飲み比べ
発表会では、店舗で提供される二種のビールとメニューが登場。まずいただいたのは、王道とも言えるブルックリン・ブルワリーの代表的な商品「ブルックリンラガー」。
コップに顔を近づけると、華やかな香ばしい麦の香りが広がる。一口飲んでみると、思っていたよりもさわやかな口当たりとバランスのとれた味わい。毎日でもお供にしたいビールだ。
ビールのお供に提供されたタコスは、さまざまな具材をトルティーヤで包んで食べる多様性が魅力。この日いただいたタコスはひき肉が包まれており、ブルックリンラガーとの相性もばっちりだった。タコスとビールの交互食べは、無限にできるかもしれない……。
次にいただいたのは「ブルックリンベルエアサワー」。あらかじめ酸味を感じられると聞いていたものの、飲んでビックリ。本当にさわやかな飲み口だ。フルーツのような香りとともに、舌の上をすばやくすっきりとした味わいが駆け抜け、まるでスパークリングワインを飲んでいるよう。ビールが苦手な人でも、カクテル感覚で飲めそうな一杯だ。
「ブルックリンラガー」の王道な味から「ブルックリンベルエアサワー」の個性派まで、ブルックリン・ブルワリーの幅広さを感じることができた「B」。きっと日本橋の兜町に再び賑わいを与える起爆剤となることだろう。クラフトビールの愛飲者もそうでない人もぜひ足を運んでみてほしい。
●「B(ビー)」※2020年2月1日開業予定
東京都中央区日本橋兜町3-5「K5」地下1階
営業時間 16:00~23:00(年中無休の予定)