舞台「鬼滅の刃」の公開ゲネプロが17日に東京・天王洲銀河劇場で行われ、小林亮太(竈門炭治郎役)、高石(※高ははしごだか)あかり(竈門禰豆子役 ※禰はしめすへん)植田圭輔(我妻善逸役)、佐藤祐吾(嘴平伊之助役)、本田礼生(冨岡義勇役)、佐々木喜英(鬼舞辻無惨役 ※辻は一点しんにょう)らが登場した。

  • 舞台「鬼滅の刃」

    舞台「鬼滅の刃」

同作はシリーズ累計発行部数が2,500万部を突破し、『週刊少年ジャンプ』にて連載中の吾峠呼世晴によるコミックの舞台化作。家族を鬼に皆殺しにされた少年・炭治郎が、唯一生き残ったものの鬼になってしまった妹・禰豆子を人間に戻し家族の仇を討つため、“鬼狩り”となって戦う物語が描かれる。2019年に放送されたTVアニメシリーズも大人気を博し、いま最も舞台化が待ち望まれていた作品のひとつだ。

舞台では、原作前半のエピソードを約2時間15分の上演時間で描く。小林は全編ほぼ出ずっぱりの中で、心優しく真面目な炭治郎役を演じきった。舞台後半の小林のソロ歌唱では、意表を突く歌詞を真面目に歌い上げ、記者席を含めた会場に笑いをもたらしていた。また、口枷をはめられて話すことのできない禰豆子という難役を担った高石の熱演も光る。物語冒頭の重要な場面である、本田演じる冨岡義勇との3人のシーンでは文字通り体当たりのアクションを披露し、観客を引き込んだ。

一方、我妻善逸役の植田と嘴平伊之助役の佐藤も、振り切ったコミカルさと見事な殺陣を両立させ、「鬼滅の刃」の魅力を体現。そのほか、高木トモユキ(鱗滝左近次役)はベテランならではの重みを加え、珠世役の舞羽美海は宝塚OGらしい歌唱力で歌い上げるなど、各人がそれぞれに舞台を盛り上げた。

また、各剣士たちが操る「呼吸」や、首を斬られた鬼が崩折れる場面など、実写での再現が難しそうなエフェクトも、セットや美術、さらにアニメーションまでフル活用して表現。これも舞台「鬼滅の刃」ならではの魅力といえるだろう。

東京公演は天王洲 銀河劇場にて18日〜26日、兵庫公演はAiiA 2.5 Theater Kobeにて31日〜2月2日。

脚本・演出:末満健一 コメント

稽古中は「これをどう表現すればよいのか?」と難問の連続でした。
竈門炭治郎の戦いは、そのまま座組の戦いでもありました。
すべてのピースが出揃い、通し稽古を重ねるにつれて、「早くこの作品をお客さんにお届けしたい」という思い が募るばかりでした。
舞台「鬼滅の刃」、小林亮太座長率いる座組の熱量と共に、ようやくお届けできることを嬉しく思います。

小林亮太 コメント

この物語の中で生きる人たちが死と隣り合わせにあるように、1人1人が抱く想いを果たそうと必死に闘っています。
舞台「鬼滅の刃」ならではの生々しく力強さのある世界を。
劇場へお越しくださる皆さんの愛も合わせて、ひとつの作品に。頑張れ炭治郎頑張れ!! 座組み一丸、己を鼓舞して。応援よろしくお願いいたします。

佐々木喜英 コメント

今回登場する鬼舞辻無惨は「氷山の一角」だと思っています。
長い戦いの序章となる今回の舞台では、ベールに包まれながらも垣間見える底知れない彼の恐ろしさを、要所要所で皆さまに感じていただければ嬉しいです。
舞台「鬼滅の刃」を、末永く応援のほどよろしくお願いします。

(C)吾峠呼世晴/集英社
(C)舞台「鬼滅の刃」製作委員会2020