ネスレネスプレッソは1月16日、新しい抽出方法を採用したコーヒーシステム「VERTUO (ヴァーチュオ)」(以下、ヴァーチュオ)と、ヴァーチュオを用いたコーヒーメーカー「ヴァーチュオ ネクスト」を発表しました。
ヴァーチュオの特徴は、ぶ厚いクレマを伴ったコーヒーを抽出できること。一般的なエスプレッソよりも圧倒的に厚みのある、ふわふわのきめ細かな泡とともにコーヒーが楽しめます。発売日は1月30日で、ヴァーチュオ ネクストの価格は20,900円(税込)から。
まるで黒ビール? ぶ厚いクレマの新抽出技術
今回発表された「ヴァーチュオ」とは、ヴァーチュオ専用カプセルコーヒーと、ヴァーチュオ対応の専用コーヒーメーカーを組み合わせることで、手軽にコーヒーが楽しめるコーヒーシステムのこと。現在国内でヴァーチュオに対応しているコーヒーメーカーは、今回発表された「ヴァーチュオ ネクスト」のみです。
ヴァーチュオは、抽出時に遠心力を利用する「セントリフュージョン(遠心力抽出法)」を採用しました。コーヒーの抽出時にカプセルを回転させることで、お湯をカプセル内にムラなく行き渡らせ、コーヒー内にしっかりと空気を含ませます。これにより、ぶ厚いクレマ(エスプレッソコーヒーなどの表面に浮くヘーゼルナッツ色の泡)を作れるわけです。
会場で抽出したてのコーヒーを試飲したところ、やはり驚くのが泡の厚さ。一般的なコーヒーのクレマは2~4mm程度の厚さですが、試飲用のマグカップで提供されたヴァーチュオのクレマは2cm近くも! 一見すると、コーヒーというより黒ビールのような見た目です。泡もしっかりしていて、スプーンで泡を持ち上げてもつぶれませんでした。
実際にコーヒーを飲んでみると、香りの強さにも驚き。コーヒーの表面を泡が覆っているためか、飲む前の香りはそれほど強くないのですが、コーヒーを口に含んだ瞬間……本当に豊かな香りが楽しめます。
ネスレは今回のヴァーチュオとともに、ブラックのコーヒーにもスプーンを添える「新作法」を提唱しました。泡をコーヒーに混ぜ込みながら飲むことで、柔らかな口当たりとより芳醇なコーヒーの香りを楽しめるのです。
抽出はボタンを押すだけワンタッチ、メンテナンスも簡単
実際にヴァーチュオ ネクストを使用してみて、抽出やメンテナンスが簡単なことにも感心。コーヒーはブレンドごとに適切な湯温や湯量、抽出スピードなどがありますが、ヴァーチュオ専用カプセルはカプセル表面にバーコードが印刷されており、コーヒーメーカーがカプセルの種類を判断できるようになっています。
ヴァーチュオ ネクストにカプセルをセットするだけで、コーヒー豆にあわせた最適な湯温・湯量、遠心力を作る回転速度、蒸らし、抽出時間によって、コーヒーを抽出します。このため、ヴァーチュオ ネクスト本体にあるのは、コーヒーの抽出をスタートするボタンがひとつ。カプセルをセットしてボタンを押すだけでよく、面倒な設定は必要ありません。
「面倒な設定がいらない」という手軽さの反面、少し気になったのはコーヒーの抽出量がカプセルごとに決まっていて変更できないこと。25種類のカプセルには、約40mlという少量タイプから、約414mlという大容量タイプまで、カプセルごとに5種類の抽出容量が決められています。
今回試飲したのは「ジョルニオ」のカプセルですが、これは230mlでの抽出で固定されています。「ジョルニオの味をラテにアレンジしたいから少量抽出にしたい」といった融通はききません。
ただ、多くのカプセルでは、マグカップに最適な230ml以上の大容量抽出に設定されているのがポイント。日本では86%のユーザーがラージカップでコーヒーを楽しんでいるという、ネスレの調査結果が反映されています。一般的なコーヒーは一杯140~170ml程度といわれていますが、230mlサイズなら自宅でじっくり飲むにもぴったりでしょう。