東京2020組織委員会は15日、東京オリンピック・パラリンピック観戦チケットのデザインを発表した。十二単(じゅうにひとえ)に用いられる色の組み合わせ”かさねの色目”にならい、同系の6色を配色した鮮やかなカラーを基調にしている。なお同日、パラリンピック観戦チケットの第2次抽選申込も開始した。

  • 都内では15日、東京2020大会の観戦チケットのデザインが発表された。同日、パラリンピック観戦チケットの第2次抽選申込もスタートしている

    都内では15日、東京2020大会の観戦チケットのデザインが発表された。同日、パラリンピック観戦チケットの第2次抽選申込もスタートしている

どんなデザインに?

この日に発表されたのは、オリンピック観戦チケットの59種類と、パラリンピック観戦チケットの25種類。オリ・パラともに、開閉会式のチケットは別デザインになるとしている(デザインの発表時期は未定)。

  • チケットには、紅、藍、藤、松葉の4色が使用されている

    チケットには、紅、藍、藤、松葉の4色が使用されている

都内で開催されたメディア説明会に登壇した、南海キャンディーズの山里亮太さんは「カラフルですね。周りではチケットに当選しなかった人が多いので、大きな声では言えないんですが、実は私、パラリンピックのチケットが当たりました。紙のチケットが家に届くようにしているので、今このデザインを見て、ワクワクしてきました」と興奮気味。

  • 南海キャンディーズの山里亮太さん。パラリンピックのチケットが当たったという

    南海キャンディーズの山里亮太さん。パラリンピックのチケットが当たったという

一方で、東京パラリンピックの日本代表に内定しているカヌーの瀬立モニカさんは「競技会場もチケットに書かれているんですね」と表面のデザインに感心した後、チケットが当選しないという話の中で「私のお母さんも、カヌーの決勝レースのチケットが外れちゃったんです」と苦笑い。これに山里さんは「ちょっと関係者の人、抽選が厳しすぎない? 出場する選手のお母さんだよ」と同情していた。

  • 東京パラリンピックの日本代表(カヌー)の瀬立モニカさんは「競技場までは徒歩15分。生まれ育った地元で金メダルを獲って、素晴らしい時間を皆さんと共有できれば」

    東京パラリンピックの日本代表(カヌー)の瀬立モニカさんは「競技場までは徒歩15分。生まれ育った地元で金メダルを獲って、素晴らしい時間を皆さんと共有できれば」

この日、パラリンピック観戦チケットの第2次抽選申込も開始された。申込期間は1月29日11時59分まで、抽選結果の発表は2月18日の予定。ちなみに東京大会の観戦チケットには、ホームプリント、モバイルチケット、紙のチケットの3タイプがあるが、今回の第2次抽選は、競技ごとにデザイン分けされた紙のチケットが届く最後の機会となる。

  • オリンピックの観戦チケット

    オリンピックの観戦チケット

  • パラリンピックの観戦チケット

    パラリンピックの観戦チケット

応援が力になる、と両選手

この後、パラリンピック アメリカ代表(アーチェリー)のマット・スタッツマンさんがゲストで登壇した。同選手は生まれつき両腕が無いが、両足と肩を使って弓矢を放つスタイルでロンドン2012大会では銀メダルを獲得している。「大事なことは、成功するために必要なトレーニングをやり続けること。毎日3~8時間、練習しています」(スタッツマンさん)。そのためには前向きで強いメンタルが必要です、と続けた。

  • アーチェリーのパラアスリートで、世界的に有名なマット・スタッツマンさん

    アーチェリーのパラアスリートで、世界的に有名なマット・スタッツマンさん

  • 足を使い、5kgもあるアーチェリーの弓を引いて矢を射る。310ヤード離れた的を射たことで、ギネス世界記録に認定されたことも

    足を使い、5kgもあるアーチェリーの弓を引いて矢を射る。310ヤード離れた的を射たことで、ギネス世界記録に認定されたことも

スタッツマンさんが使っている弓より張力を弱めた50ポンドの弓を引かせてもらった山里さんだったが「めちゃくちゃ硬い。両腕に力を入れても全然、動かない。フェンスの針金を引っ張っている感じです」と驚いていた。

  • アーチェリーの弓の硬さに驚く山里さん

    アーチェリーの弓の硬さに驚く山里さん

最後に、大会に向けた意気込みを聞かれた瀬立選手は「私が出場するカヌー競技は、200mの直線を漕いで誰が一番になるか、という分かりやすいもの。お子さんにも観戦してもらえます。水上のF1と言われるくらいのスピード感が楽しめますよ。パラリンピックが自国で、しかも地元の江東区で開催される。皆さんの応援が、私のレーンに風を起こしてくれると信じています。ぜひ、多くの人に足を運んでいただければ」。

また、スタッツマンさんは「アーチェリーは身体障害者には不可能、とお思いの方もいるのではないでしょうか。私はこれまで、全てを投げ売って努力してきました。世界最高レベルのパフォーマンスを見て欲しい。あと223日で、世界中から圧倒的な数のアスリートが日本にやってきます。素晴らしい経験になると思いますので、皆さんも応援に来てください」と呼びかけていた。

  • オリンピック観戦チケット59種類、パラリンピック観戦チケットの25種類は、1月15日から1月29日まで、日本橋三井タワー1階アトリウムで一般展示中

    オリンピック観戦チケット59種類、パラリンピック観戦チケットの25種類は、1月15日から1月29日まで、日本橋三井タワー1階アトリウムで一般展示中

他の競技にも興味津津!?

このあと、記者団の質問に3名が回答した。自分が出場する競技以外で注目している競技を聞かれると、瀬立選手は「車いすラグビーですね。練習会場が同じことが多く、よく『モニカ頑張っているか』なんて声をかけてもらっています。金メダルを獲ってもらいたい」と笑顔に。スタッツマンさんは「ボッチャに興味があり、やってみたいと思っています。日本の選手は強いので、すぐに負けてしまいそうですが。あとは、腕相撲にも興味があります」と意欲的だった。

チケットのデザインについて聞かれると、山里さんは「今から自宅に届くのが楽しみ。もっと届くように、第2次抽選にも申し込みます」。瀬立選手は「カヌーのチケットは緑色でした。会場となる『海の森水上競技場』は、木々が綺麗な自然豊かな公園にありますが、それがチケットからも感じられました。魅力的なデザインだと思います」。スタッツマンさんは「素晴らしいデザイン。アーチェリーのチケットに使われたパープルは、個人的にピュアなものを感じる色。禅の気持ちに通じるので、競技のイメージにもぴったりだと思いました」と回答していた。