トミーテックが販売店向けに2020年最初の新製品展示会を実施。製品化決定車両がスライドにて発表され、発売予定製品の試作品も展示された。

  • トミーテックの新製品を発売前に見学(写真:マイナビニュース)

    トミーテックの新製品を発売前に見学。相鉄・JR直通線の車両12000系の試作品や国鉄時代の新幹線0系1000番台など、バラエティに富んだ展示に

まずは製品化が決定した車両を紹介したい。「TOMIX」ブランドからは、京阪神地区での新快速運行開始50周年記念に合わせ、国鉄117系がTOMIX初の製品化となる。特徴的な前面や外観にこだわりを持って再現し、ヘッドマーク部や冷房などは別パーツで再現する。JRマークの転写シートと無線アンテナパーツが付属するので、ユーザー取付によってJR化後の姿も楽しめる。

  • 国鉄色で初製品化となる国鉄117系近郊電車(新快速)。京阪神を駆け抜ける雄姿をぜひ鉄道模型で。6月発売予定

オレンジ色の国鉄103系非冷房車も初製品化。前面下部にある通風口が塞がれた姿を再現し、青梅線・五日市線・大阪環状線に見立てることもできる。

14系客車では、「リゾート白馬」が製品化。すでに製品化されている「ムーンライト九州」とは青帯の塗り分けが微妙に異なっており、EF81形やDE10形と編成を組むことで、より実車らしくなる。

昨年12月14日に運行を終えた新津運輸区のキハ47形500番台(首都圏色)も、Nゲージで製品化された。同車両は2両編成だったが、7両まで収納できるブックケースで発売するので、手持ちの気動車を収納しやすくなる。もちろん、これから他の新潟色を集める際にも役立つだろう。

  • 国鉄103系通勤電車(初期型非冷房車・オレンジ)は、基本セットと増結セットを組み合わせて理想の編成にできる。5月発売予定

  • 14系客車(リゾート白馬)。EF81形で牽引し、大糸線内はDE10形によるプッシュプルで運行していた。6月発売予定

  • キハ47形500番台(復活首都圏色・新津運輸区)の製品化も発表。新津運輸区のバリエーション拡大に。6月発売予定

その他、Nスケールでは205系、キハ58系の急行「のりくら」、平成筑豊鉄道400形など、HOスケールではED79形、50系5000番台「海峡」などの製品化が発表された。

  • キハ58系の急行「のりくら」と、平成筑豊鉄道400形は6月発売予定。205系に関しては続報を待ちたい

  • ヤマト運輸コンテナと、黄色のタキ5450形タンク貨車。前者は7月、後者は5月に発売予定

  • 只見線の動向や近年の在庫状況に合わせ、再生産予定も発表されている。いずれも6月発売予定

  • HOスケールでED79形にラインナップが追加され、あわせて「海峡」の50系客車も製品化。赤の51形客車は4両セットにリニューアル。左から6月、5月、3月発売予定

「ジオコレ」ブランドからは、すでに登場時仕様が発売されている鉄道コレクション「東武鉄道9000系9101編成」の現行仕様が製品化される。実車通りの10両編成と、手軽にコレクションできる4両短縮編成で発売を予定している。

さらに、2018年に東急電鉄から譲渡された養老鉄道7700系が3両セットで製品化。緑歌舞伎のTQ12編成、東急時代を思わせる前面赤帯のTQ03編成の発売が決定した。

また、鉄道コレクション第29弾にて2両で登場した南海電鉄1000系が、今度は6両編成セットとなって発売される予定。発売済みの鉄コレや他社製品の南海電鉄車両と共演させることにより、Nゲージで南海の路線網を再現できそうだ。

  • 現行仕様の東武鉄道9000系は、車番プレートのない車体と屋根が登場時と異なる。5月発売予定

  • 養老鉄道に譲渡された7700系。クロスシートは再現されないので、工夫次第で東急時代に見立てることも可能。5月発売予定

  • 南海電鉄1000系が6両編成セットで登場。6月発売予定だが、詳細は今後の発表による

バスコレクションでは、小田急箱根高速バスと箱根登山バスの「エヴァンゲリオン」ラッピングが登場。空港シリーズでは、新千歳空港に乗り入れるバスを3種収録する。ブラインドパッケージのバスコレ第28弾では、「地球にやさしい」でおなじみの日野HIMRと日野ブルーリボンシティハイブリッドを収録したラインナップとなる。

その他、建物コレクションでは「お寺」のバリエーションを拡大し、情景小物ではコンビナートが発売予定。いずれも簡易組立てにより、手軽にジオラマに組み込める。

  • 小田急箱根高速バスのラッピングバスはキービジュアルデザインとネルフ本部デザインの2種類。6月発売予定

  • 箱根登山バスのラッピングバスは、エヴァンゲリオンの各号機をイメージしたデザインに。6月発売予定

  • 空港シリーズ最新弾では、新千歳空港に乗り入れるバスを3種収録。5月発売予定

  • バスコレ28弾(6月発売予定)と、お寺・コンビナート(5月発売予定)が登場。発売済みの製品と合わせれば、模型の情景をより良く引き立ててくれる

続いて、発売予定製品の試作品展示を紹介。相鉄・JR直通線対応車両の相模鉄道12000系は、先頭車両が未塗装の状態で展示されていた。能面をイメージした前面形状がNゲージにもしっかり落とし込まれている。今後の塗装サンプルにも期待したい。

  • 実車も注目を集める相模鉄道12000系。特徴的な前面形状を模型でも再現。5月発売予定

相模鉄道12000系の隣では、JR東日本251系「スーパービュー踊り子」の塗装サンプルを展示。さらにその隣には小田急電鉄のロマンスカー7000形・LSEの新塗装や、新幹線0系1000番台も展示されていた。

  • JR東日本251系「スーパービュー踊り子」。先頭車のライトが光った状態で展示された。3月発売予定

  • 小田急ロマンスカーLSEは新塗装で、ライトに改良が加えられた。1月発売予定

  • 国鉄0系1000番台。最大16両編成の新幹線は圧巻。1月発売予定

JR西日本281系「ハローキティはるか」の第2弾「Ori-Tsuru」、第3弾「Kanzashi」の試作品も公開。どちらも曲線的な車体に細かなラッピングが再現されており、かわいらしく、美しい。貨物ではイオンとサントリー、ネスレ日本、花王との共同デザインというユニークなコンテナが製品化され、こちらにも注目だ。

  • 281系「ハローキティはるか」の「Ori-Tsuru」は3月、「Kanzashi」は今夏、共同デザインコンテナは3月発売予定。いずれも版権元監修中

「ジオコレ」製品の試作品も多数展示された。昨年の全日本模型ホビーショーで発表された大阪市交通局・地下鉄御堂筋線30系は、ステンレス車・アルミ車ともに展示。コルゲートの凹凸のあるほうがステンレス車、側面の平らなほうがアルミ車で、どちらもラインカラーのない武骨な姿が印象に残る。

  • 一見同じようだが、近くで見ると違いがよくわかる。ステンレス車は3月、アルミ車は5月発売予定

伊豆箱根鉄道7000系「ラブライブ! サンシャイン!!『Over the Rainbow号』」ラッピング電車では、各号車にあしらわれたラッピングをていねいに再現。ロゴのヘッドマークに加え、「Aqours(アクア)」メンバー全員のヘッドマークシールが付属する。

  • 3両編成と短めだが、これ1本でコレクションがにぎやかになりそうだ。1月発売予定。版権元監修中

小田急箱根高速バスと箱根登山バスの「エヴァンゲリオン」ラッピングバスも試作品となって早速登場。1月10日から開催されている「エヴァンゲリオン×箱根 2020 MEET EVANGELION IN HAKONE」と合わせ、実車・模型の両方で「エヴァンゲリオン」ラッピングを楽しめる。

  • キービジュアルとネルフ本部のデザインのラッピングをNスケールで再現。6月発売予定、版権元監修中

  • 箱根登山バスのラッピング車両はエヴァンゲリオン各号機のデザイン。6月発売予定、版権元監修中

他にも試作品を多数展示。TOMIXは国鉄・JRの車両、鉄道コレクションは私鉄の車両を多数製品化するので、好きな車種・地域・時代などに応じて幅広く集められる。

  • 国鉄153系。運転台の高低差やサハ・サロ・サハシなど組み合わせは多数。1月発売予定

  • N700Aや500系、そしてトキ色のラインのE7系と、新幹線も充実。左から1月・2月・3月発売予定

  • 国鉄キハ52形は後期型で首都圏色と国鉄色が登場。下北交通キハ85形はTOMIX初製品化。いずれも3月発売予定

  • 長野色の211系はスカートなどが変更される予定。1月発売予定

  • 115系の長野色に3両編成の他、2両編成も登場。4月発売予定

  • 急行形電車167系が「メルヘン色」として製品化。3月発売予定

  • EF65形2種と、「出雲2・3号」を再現できる14系客車、青函トンネルを走った485系「はつかり」が登場。EF65形と14系客車は1月、485系「はつかり」は3月発売予定

  • 川越線・八高線の209系3000番台は62~64編成を再現。1月発売予定

  • 発表されたばかりの103系非冷房車・オレンジの試作品が早くも公開された

  • 常磐線・成田線で活躍した103系1000番台も非冷房仕様で登場。2月発売予定

  • JR東海313系は1300番台・1500番台・1000番台を製品化。すべて2月発売予定

  • 313系1000番台・1500番台には中央西線の行先が収録される予定

  • JR東海の115系はグレーの床下と分散型冷房が特徴。2月発売予定

  • 225系100番台は4両編成と8両編成が登場。連結させて最大12両にできる。2月発売予定

  • 和歌山線・桜井線でデビューした227系1000番台はパンタグラフが1基と2基の仕様に分かれる。4月発売予定

  • 九州を走ったキハ82系「にちりん・おおよど」。元グリーン車のキハ80-900も含まれる。4月発売予定

  • 板谷峠を行き交ったED78形がHOスケールで登場。50系客車は編成見直しの上、再生産される。ED78形は1月、50系客車は3月発売予定

  • 静岡鉄道A3000形や東京都交通局(都電)の車両に新バリエーションが加入。HOナロースケールの猫屋線シリーズでは、なんと路面電車も登場。静岡鉄道は3月、東京都交通局と猫屋線は2月発売予定

  • 鶴舞線からは通常編成と中間に3000形が組み込まれた3059編成が登場。4月発売予定。発表されたばかりの東武鉄道9000系とバスコレ28弾は未塗装で展示

最後に、先頭車両だけを手軽にコレクションできる「FIRST CAR MUSEUM」の第3弾も公開された。新幹線0系2000番台や小田急電鉄のロマンスカー70000形・GSEなどが発売される予定。発売済みの製品と並べたり、好きな車両を選んで飾ったりと、楽しみ方はユーザー次第だ。

  • 先頭車両の博物館が、ますますにぎやかになるだろう

膨大な数の試作品すべてを通して、リアルな実車再現や、同じ形式でも細かく作り分けられている点が印象的だった。一部を除き、各販売店で予約を受け付けていることと思うので、欲しい車両が見つかった場合はぜひ入手してほしい。