トミーテックが販売店向けに2020年最初の新製品展示会を実施。製品化決定車両がスライドにて発表され、発売予定製品の試作品も展示された。
まずは製品化が決定した車両を紹介したい。「TOMIX」ブランドからは、京阪神地区での新快速運行開始50周年記念に合わせ、国鉄117系がTOMIX初の製品化となる。特徴的な前面や外観にこだわりを持って再現し、ヘッドマーク部や冷房などは別パーツで再現する。JRマークの転写シートと無線アンテナパーツが付属するので、ユーザー取付によってJR化後の姿も楽しめる。
オレンジ色の国鉄103系非冷房車も初製品化。前面下部にある通風口が塞がれた姿を再現し、青梅線・五日市線・大阪環状線に見立てることもできる。
14系客車では、「リゾート白馬」が製品化。すでに製品化されている「ムーンライト九州」とは青帯の塗り分けが微妙に異なっており、EF81形やDE10形と編成を組むことで、より実車らしくなる。
昨年12月14日に運行を終えた新津運輸区のキハ47形500番台(首都圏色)も、Nゲージで製品化された。同車両は2両編成だったが、7両まで収納できるブックケースで発売するので、手持ちの気動車を収納しやすくなる。もちろん、これから他の新潟色を集める際にも役立つだろう。
その他、Nスケールでは205系、キハ58系の急行「のりくら」、平成筑豊鉄道400形など、HOスケールではED79形、50系5000番台「海峡」などの製品化が発表された。
「ジオコレ」ブランドからは、すでに登場時仕様が発売されている鉄道コレクション「東武鉄道9000系9101編成」の現行仕様が製品化される。実車通りの10両編成と、手軽にコレクションできる4両短縮編成で発売を予定している。
さらに、2018年に東急電鉄から譲渡された養老鉄道7700系が3両セットで製品化。緑歌舞伎のTQ12編成、東急時代を思わせる前面赤帯のTQ03編成の発売が決定した。
また、鉄道コレクション第29弾にて2両で登場した南海電鉄1000系が、今度は6両編成セットとなって発売される予定。発売済みの鉄コレや他社製品の南海電鉄車両と共演させることにより、Nゲージで南海の路線網を再現できそうだ。
バスコレクションでは、小田急箱根高速バスと箱根登山バスの「エヴァンゲリオン」ラッピングが登場。空港シリーズでは、新千歳空港に乗り入れるバスを3種収録する。ブラインドパッケージのバスコレ第28弾では、「地球にやさしい」でおなじみの日野HIMRと日野ブルーリボンシティハイブリッドを収録したラインナップとなる。
その他、建物コレクションでは「お寺」のバリエーションを拡大し、情景小物ではコンビナートが発売予定。いずれも簡易組立てにより、手軽にジオラマに組み込める。
続いて、発売予定製品の試作品展示を紹介。相鉄・JR直通線対応車両の相模鉄道12000系は、先頭車両が未塗装の状態で展示されていた。能面をイメージした前面形状がNゲージにもしっかり落とし込まれている。今後の塗装サンプルにも期待したい。
相模鉄道12000系の隣では、JR東日本251系「スーパービュー踊り子」の塗装サンプルを展示。さらにその隣には小田急電鉄のロマンスカー7000形・LSEの新塗装や、新幹線0系1000番台も展示されていた。
JR西日本281系「ハローキティはるか」の第2弾「Ori-Tsuru」、第3弾「Kanzashi」の試作品も公開。どちらも曲線的な車体に細かなラッピングが再現されており、かわいらしく、美しい。貨物ではイオンとサントリー、ネスレ日本、花王との共同デザインというユニークなコンテナが製品化され、こちらにも注目だ。
「ジオコレ」製品の試作品も多数展示された。昨年の全日本模型ホビーショーで発表された大阪市交通局・地下鉄御堂筋線30系は、ステンレス車・アルミ車ともに展示。コルゲートの凹凸のあるほうがステンレス車、側面の平らなほうがアルミ車で、どちらもラインカラーのない武骨な姿が印象に残る。
伊豆箱根鉄道7000系「ラブライブ! サンシャイン!!『Over the Rainbow号』」ラッピング電車では、各号車にあしらわれたラッピングをていねいに再現。ロゴのヘッドマークに加え、「Aqours(アクア)」メンバー全員のヘッドマークシールが付属する。
小田急箱根高速バスと箱根登山バスの「エヴァンゲリオン」ラッピングバスも試作品となって早速登場。1月10日から開催されている「エヴァンゲリオン×箱根 2020 MEET EVANGELION IN HAKONE」と合わせ、実車・模型の両方で「エヴァンゲリオン」ラッピングを楽しめる。
他にも試作品を多数展示。TOMIXは国鉄・JRの車両、鉄道コレクションは私鉄の車両を多数製品化するので、好きな車種・地域・時代などに応じて幅広く集められる。
最後に、先頭車両だけを手軽にコレクションできる「FIRST CAR MUSEUM」の第3弾も公開された。新幹線0系2000番台や小田急電鉄のロマンスカー70000形・GSEなどが発売される予定。発売済みの製品と並べたり、好きな車両を選んで飾ったりと、楽しみ方はユーザー次第だ。
膨大な数の試作品すべてを通して、リアルな実車再現や、同じ形式でも細かく作り分けられている点が印象的だった。一部を除き、各販売店で予約を受け付けていることと思うので、欲しい車両が見つかった場合はぜひ入手してほしい。