アイロボットの床拭きロボット「Braava(ブラーバ)」シリーズは、自動で水を噴射しながら床拭きする機能を備えた新モデル「Braava Jet(ブラーバ ジェット)」が2016年に登場。その後継機種として、2019年の夏に3年ぶりに発売されたのが「Braava Jet m6」(以下、m6)です。
ブラーバ ジェット m6の進化ポイント
最大の進化ポイントは、「iAdapt 3.0 ビジュアルローカリゼーション」という最新のナビゲーションシステムを搭載している点。この機能を既に採用している、吸引型のロボット掃除機「ルンバ」の最上位モデル「i7+」「i7」と同様に、各種センサーとカメラを備え、家全体の間取りを認識する「Imprintスマートマッピング」に対応してます。従来モデルよりもより効率的に拭き掃除ができるほか、作成した地図をもとに清掃エリアを指定した掃除も可能になりました。
もう1つの新機能としては、ルンバとの連携機能が挙げられます。アプリ上で設定しておくと、ルンバの吸い込み掃除が終わったあと、m6が自動で拭き掃除を始めてくれるというもの。ゴミの除去から拭き掃除までを一気通貫して行うことができるのです。
連携に対応しているのは、m6の発売当初は、ルンバの最上位モデル「i7+」「i7」のみでした。筆者宅で所有しているのは「ルンバ 960」のため、対象に含まれず、残念に思っていたものです。
そして2019年10月、アプリがアップデートされ、ルンバ 900シリーズも連携機能に対応しました。さらに、マッピング機能によって作成された地図を使って、進入禁止エリアを指定した掃除も可能になったのこと。そんなこんなで遅ればせながらm6が気になり、試してみることにしました。
従来モデルより大きくなった本体、そのメリットとデメリット
はじめに、m6単体のスペックをまとめましょう。本体サイズは幅約27×奥行約25.2×高さ約9.0センチと、従来モデルの「ブラーバ ジェット250」と比べて、二回りほど大きくなった感じです。高さは低くなっており、従来モデルよりも狭い場所には入りにくくなった一方、低い場所には入り込めるようになっています。
大きさに関しては、筆者宅では一長一短でした。というのも、キッチンにある棚の下の隙間とm6の高さがぴったりだったので、その隙間にm6がはまり込んでしまい、身動きが取れなくなってエラーで止まっているケースが何度かありました。
ここで大いに役立ったのが、バージョンアップで追加された「進入禁止エリア」の指定機能です。m6がはまり込みやすい場所の境界を進入禁止エリアに設定することによって、この問題は解消しました。
願わくば、床の隅々までお掃除してほしいところですが、エラーで止まってしまって掃除面積が小さくなるよりは、エラー回避を優先するほうが賢明。m6が掃除しきれないところは、手作業で拭き掃除すればいいと割り切ることにしました。
一方で、従来モデルからやや大きくなった本体サイズは、小回りが利きにくくなったものの、メリットもあります。いわゆる「雑巾」の部分にあたるクリーニングパッドの面積も大きくなったので、一度に広い範囲を拭けるようになった、掃除にかかる時間が短くなりました。水を噴射して拭き掃除するウェットモードの適用床面積は、ブラーバ ジェット250の最大15畳に対して、m6は60畳です。m6は、広いリビングや複数の部屋・空間を連続して拭き掃除するのに適したモデルだと感じました。