就活時の「理想」と就職後の「現実」が一致している人は幸せだ。残念ながらそんな"勝ち組"は少数派で、仕事の理想と現実にネガティブなギャップを感じる若手社員はなんと約7割にものぼるという ※みつキャリ調べ。では一体、どうすれば理想的な働き方が実現できるのか。
「自分らしい働き方」を見つける若手応援プロジェクト「MEETS CAREER」(略して「みつキャリ」)を展開するマイナビ転職がトークイベント「#働き方ってなんだ」を2020年1月13日に開催した。
ゲストとして、数々のベストセラーを生み出した編集者で、著書『死ぬこと以外かすり傷』(マガジンハウス)も上梓する箕輪厚介さん、「ゆうこす」の愛称で知られる実業家・菅本裕子さん、そしてお笑いコンビ・品川庄司の品川祐さん、庄司智春さんが登壇。「働き方」をテーマに、それぞれ独自の仕事観を語った。
「働き方改革」で何が変わったのか
昨年4月には働き方改革関連法が施行され、働き方にも少しずつ変化が現れ始めている。「私も働き方改革をした」と話すのは、モテクリエイター「ゆうこす」こと菅本裕子さん。
「私はもともと24時間365日、寝る直前までスマホを触りながら仕事をしていたけど、それが体力的にしんどくなって『どれだけ楽しく休めるか』を気にするようになった。今では私の周りでも、休みを充実させる人たちが増えていっている」(ゆうこすさん)。
箕輪さんは、「今までは長時間労働が会社への忠誠とみなされ、それに給料が払われていた。でも、グローバル化で競争環境が厳しくなり、謎のゴマすりや無駄な残業など、無意味な仕事にはお金が払えない社会になっている」と分析。
自分がどう成長するかを考え、それに必要な働き方を実践する社会になると指摘し、「やる気ある人にはチャンスが与えられるし、指示待ち思考の人にはハードな、結果で評価される社会になるのではないか」と予想する。
そもそも、「働き方」ってなんだ?
さて、今回のトークイベントの主要テーマは3つ。「働き方ってなんだ?」「好きなことで生きていく?」「20代のうちに取り組むべきこと」だ。
ひとつ目の「働き方」について箕輪さんは、「僕は遊びと仕事の区別はない」と話しつつ、「最初は単なるスーツを着たサラリーマンだった」と振り返る。
「僕の場合、入社して最初の1年は『やらなきゃいけないこと』が仕事の9割だった。でも、どんどん『やりたいこと』の純度を増やしていって、今は80%くらいが『やりたいこと』になっている。最初から『やりたいこと』ばかりできるなんて都合のいいことは、本当に才能がなければ難しい」(箕輪さん)。
この意見に品川庄司の品川さんも同意。ロールプレイングゲームのドラクエと同様で、今の自分に見合った装備品と地道なレベルアップが必要だという認識を示した。
続けて、「家で漫画を読みながら『どうやったら成功するんだろう』と考えている人は多い。例えば、YouTuber(ユーチューバー)は芸人より楽なんじゃないかっていう人もいるけど、それは違う。ユーチューバーは、とんでもない努力している」と地道な努力の重要性を説いた。さらに参加者に向け、「名前だけで働きたい会社を決めるのは危険。好きな仕事を選べば文句は出てこないと思う」と話した。
好きなことを仕事にするって?
好きなことが仕事にできれば願ったり叶ったりである。しかし、「やりたいこと」がわからない人だって少なくないし、リスクだってゼロではない。
ゆうこすさんは、「好きなことだけで生きていきたい=楽ちんではない」と釘を刺しながらも、「SNSで数字やデータを意識して発信し続けたことで、好きなことを仕事にする力が付いた」とコメント。
「ただただ『ランチなう』と書いて写真をアップするだけでなく、自分を届けるということを意識して発信して、例えばフォロワーが1万人台になれば、きっと好きなことを仕事にする力も付いてくると思う」と語る。
「僕は他の3人とは今の仕事に就いた経緯が全然違う」と話したのは庄司さんだ。「僕は高卒で就職したけど、ダメだったんです。もともと車の会社でパーツを売っていたけど、『この仕事は無理だ』と思った。それで吉本興業の養成所に入って、品川と出会った。お笑いが好きだから、ただ目の前の仕事を一生懸命やっているだけ」と振り返る。
相方の品川さんは庄司さんについて、「すごく正直で、一生懸命やってきた男」と評しながら、「でも、大前提として僕が全部ネタを書いてきたことは忘れないでほしい」とチクリ。「代表的なギャグも嫁の名前だからね」と笑いを誘うと、庄司さんは「嫁をゲットしたのは俺の力だから! 」とツッコんだ。
20代のうちに取り組むべきことってなんだ?
最後のテーマは「20代のうちに取り組むべきこと」。
現在25歳のゆうこすさんは、「20代は"チート"」だと位置づけ、「20代のうちに失敗しても『20代だしね』って言われることも多いし、成功したら『20代なのにすごいね』って言われる。いろんな恥を今のうち買うために、日々発信しながら頑張っている」と話した。
箕輪さんは、「20代で取り組むべきことは、『こうなったら人生最高だぜ!』っていう妄想を思い描くこと」だと主張。「『こういう人間になれたら嬉しいな』って考えると同時に、現実の地味な仕事も大事にする。その妄想と現実の往復が大事だと思う」との見解を示した。
庄司さんは、「20代のときはイタかったけど、それがよかった。『芸人で成功する』っていう気持ちしかなかったし、もし冷静になっていたら才能のなさに気付いて辞めていたかもしれない」と振り返り、「(20代のうちは)イタさ爆発でいたほうがいい」と訴えた。
品川さんは「若い頃は映画も撮りたいし、芸人にもなりたかったけど、ビートたけしさんが映画を撮ったのを見て芸人になろうと決めた。そこからは映画を撮るために逆算して小説を書いたり、芸人として売れるために無料で前説をやったりした」と想起。プランを立て、実行することの重要性を説いた。