3Gと4G/LTEのどちらがより高速にデータ通信できるかといえば、答えは当然後者となりますが、あらゆる条件下で同じことがいえるわけではありません。大型イベント会場付近など人での多い場所では、混雑のため通信速度が低下しがちですが、それは4G/LTEに限られ、3Gは比較的つながりやすいケースもあります。
理由は単純、ここ数年で4G/LTEのみで通信するスマートフォンが増えているからです。通信キャリアの方針にもよりますが、日本ではauが2017年発売のiPhone 8/8 Plusから3G(CDMA2000)のサービス提供を止め、音声通話・データ通信ともに4G/LTEのみの対応となっています。
一方、NTTドコモとソフトバンクは、現行モデルのiPhone 11でも引き続き3Gをサポートしています。ドコモは3Gサービスの「FOMA」を2026年3月に、ソフトバンクも「W-CDMA」を2024年1月に終了する方針を表明していますが、2020年の時点では4G/LTEともども3Gを利用できます。
そのため、auおよびau系MVNO以外のSIMカードを利用していれば、データ通信回線として3Gを選択できます。混雑などの理由により4G/LTEの基地局につながりにくい/通信速度が極端に遅い場合は、利用するデータ通信回線を3Gに変更することにより、通信環境が改善されるかもしれません。
手順はかんたん、『設定』→「モバイル通信」→「通信のオプション」の順に画面を開き、現れた画面で「音声通話とデータ」をタップ、次の画面で「3G」を選択すればOKです。4Gは圏外だけれど3Gであれば通じるという状況でも有効な方法ですから、NTTドコモ/ソフトバンク(および系列MVNO)のSIMカードを利用している場合には、覚えておいて損はありませんよ。