2022年に放送されるNHK大河ドラマの制作・主演発表会見が8日、東京・渋谷の同局で行われ、小栗旬主演×三谷幸喜脚本で北条義時を主人公とする『鎌倉殿の13人』を制作することが発表された。会見に出席した三谷氏は、オファーを受ける俳優たちに「『俺スネに傷持ってるかな?』と思っている人がいたらぜひ断ってください!」と呼びかけた。
『新選組!』(2004年)、『真田丸』(2016年)に続いて、3回目の大河ドラマ脚本となる三谷氏は、「大変長らくお待たせいたしました。二度あることは三度ある。三谷幸喜です。本日はカルロス・ゴーンの会見に先立つこと6時間、ようこそいらっしゃいました」と笑いを誘い、「新しい大河ドラマを作りたいと思って、今までの大河でこんなタイトル絶対なかったというものを試行錯誤し、『鎌倉殿の13人』に落ち着きました」とタイトルについて説明した。
そして、主要登場人物である13人についてホワイトボードを使って生き生きと説明。「すごくドラマチックな、僕の頭では想像つかないようなすごいドラマが鎌倉時代は展開していて、それをドラマにすることができるというのは、脚本家冥利に尽きると思っています」とうれしそうに話した。
また、「僕は大河ドラマファンで、子供のころからずっと見ていて、自分も関わることができてラッキーだなと思っているんですけど、このところいろんなことがあって大河ドラマが元気がないとか言われたりしている中、『いやいやそんなことはないんだ、こんなに楽しい面白いワクワクするテレビドラマの枠はほかにないんだ』という信念を持っている。僕でいいのであればお力になりたいと思っていたので、お話があったときはうれしかったし、これはもう頑張るしかないと…」と3回目の大河ドラマへの強い思いを語り、「大河ドラマは終わるんじゃないかと思ってる人もいるかもしれないですけど、全然そんなことはなくて、これは61本目ですけどようやく60本で第一章が終わった。これから第二章が始まる。その第二章の1本目という気持ちでやらせていただきたい」と意気込んだ。
視聴率の目標を聞かれると、「最低視聴率は更新しないというのが目標」と笑いを誘った上で、「正直なことを言うと、あんまり僕は数字にはこだわっていない。面白いものを作るのが使命。どれくらいの人が見てもらうかということは二の次だとは思っているんですけど、大勢の人に見てもらいたいし、どんなに僕らが力を込めて面白いものを作っても、誰も見なかったとしたら存在してないのと同じ。少しでも多くの人に見てもらいたいと思いますし、気持ちとしては最高視聴率を更新したいとさえ思っています」と真剣に答えた。
報道陣の質疑応答が終了すると、三谷氏は「締めの言葉も言っていいですか? この場を借りてどうしても言いたかったことがあるんですけど」と切り出し、「僕はキャスティングにもすごく思いがありまして、俳優さんは全員が大好きだし、歴史上の人物も大好きだし、その大好きな人たちを一番いい形で一番いい役に振っていきたい。最高のこれ以上ないというキャストで小栗さん含めて今後発表していけるといいなと思っている」とキャスティングへの思いを語り、「オファーを受ける俳優さんたちに言いたいんですけど、もし『俺ちょっとやばいかな?』、『俺スネに傷持ってるかな?』と思っている人がいたらぜひ断ってください! みんな切に思ってます」とお願い。『いだてん』のピエール瀧や『麒麟がくる』の沢尻エリカが逮捕で降板する騒動が続いていることから、切実な願いとして呼びかけた。