米Mozillaは1月7日 (現地時間)、Webブラウザ「Firefox 72」の安定版の提供を開始した。Webプッシュ通知が用意されていることを知らせる表示を改善、強化型トラッキング防止の強化などが行われている。

Webプッシュ通知を通じてブラウザユーザーはよく利用しているWebサイトの新しいニュースや商品、サービスの変更など素早く知ることができる。ユーザーにとっても、情報を提供する側にとっても有用な機能である。しかしながら、Webブラウジング中に訪れたWebサイトでWebプッシュ通知が利用できることを知らせるプロンプトは、ポップアップのようで煩わしいと感じているユーザーが多い。そこでFirefox 72では、ユーザーのWebブラウジングを妨げる大きなプロンプトのポップアップをデフォルト表示するのではなく、URLバー左端に表示される吹き出しアイコンを振動させてWebサイトが通知の許可を求めていることを伝える。ユーザーが何もしなかったら数回の振動だけで、再び訪れた時に振動することはない。通知を受け取りたい場合は吹き出しアイコンをクリックして設定する。

  • Webプッシュ通知の許可を求める表示を刷新

    WebサイトがWebプッシュ通知の許可を求めても吹き出しアイコンが振動するのみ、Webブラウジングを邪魔しない

強化型トラッキング防止では、これまでブラウザープライバシー設定の「厳格強化」設定だったフィンガープリント採取をブロックする機能が「標準」設定にも組み込まれた (カスタム設定でも選択可能)。フィンガープリント採取は、Cookieや端末の個体識別番号などを用いずにWebブラウジングから得る情報だけでWebブラウザ (すなわち使用者)を特定するクロスサイト・トラッキング手法だ。MozillaはDisconnectとのパートナーシップでクロスサイト・トラッキングからユーザーを保護する機能を提供しており、Firefox 72ではフィンガープリンティングに関与している既知の会社やドメインへの全てのサードパーティのリクエストをブロックする。

Firefox 71でWindows用に追加された動画のピクチャーインピクチャー機能がMac用およびLinux用でも使えるようになった。動画の上でマウスカーソルをホバリングさせると、ピクチャーインピクチャーの切り替えボタンが表示される、または動画上の右クリックで表示されるコンテキストメニューから切り替えることも可能。動画上に切り替えボタンを表示させたくない場合は、切り替えボタン上で右クリックして「隠す」をクリックする。

  • ピクチャーインピクチャー

    Mac用に追加された動画プレイヤーのピクチャーインピクチャー機能

脆弱性の修正は12件。内訳は「High」が6件、「Moderate」が5件、「Low」が1件となっている。