漫画家・御池慧さんがTwitterで公開した漫画「森下さんは僕が寝てる時だけ優しい」が注目を集めた。タイトルの通り、一見するとガサツそうな女子・森下さんのギャップのある言動、そして主人公の少年とのビターな関係が描かれ、好評を得ている。また、2人を取り巻く、おかしみのある環境の描写にも、称賛の声があがった。
森下さんは僕が寝てる時だけ優しい(1/2) pic.twitter.com/CNpRUX2Ynp
— 御池 慧 (@miikei2601) November 23, 2019
机の上に、どかっと大胆にあぐらを組んで座っている森下さん。楽しげに雑談している彼女だが、クラスメイトの男子・榎田くんは、その髪にゴミがついていることに気付く。それと同時に彼は、一連のやり取りを妄想する。それは「美しい髪にゴミがついてたぜ?」と取り払う榎田くんに、「好き好き!! 愛してるー!!」と歓喜する彼女の姿。
しかし不器用な榎田くんは、「おい!! 何頭にホコリつけてんだよ」と森下さんに近寄ってしまう。彼女の側も驚いて、彼を足で蹴りつけながら、「何!? それ以上近寄んなって! 汚い手でさわんじゃねーよ!!」と過剰防衛気味の態度。そうこられると、榎田くんの側も「はぁ!? ホコリ取ってやろうとしたんだろうが!!」とムキになってしまう。続けて「生きてりゃホコリくらいつきますーっ! っていうかあんたがつけたんじゃないの!?」、「なんだこのゴミ女!! 性格までゴミだな!!」と言葉の応酬をしてしまう始末。
授業が始まり、「これは二重の否定で…」と説明する先生の解説もあまり頭に入らず、榎田くんは思わずため息をついてしまう。「何で毎回けんかになるのか…」。考えすぎて頭が痛くなってきた彼は、保健室に行くことを申し出、ユニークな先生も「だめな理由がありますか? いえ、ありません」と反語を用いて、優しげに微笑む。その光景を森下さんは黙って静かに見届ける。保健室で横になる榎田くん、そこに誰かがガタッと近付く。
それはもちろん森下さん。しかめっ面をしながら、ぶっきらぼうに「おい榎田ー!!」と呼びながら入ってくる彼女に、榎田くんは「お前、すぐ体調崩して。貧弱なやつだな」と煽られてしまうのではないかと危惧する。咄嗟に入り口に背を向けて、寝たフリをする彼を覗き込むように森下さんは「おいテメェ! …寝てんのか?」と力強く話しかける。目を閉じて無反応な彼をじっと見やる森下さん。榎田くんからすると、気まずい空気が流れてしまう…。
かと思えば、次の瞬間、森下さんは「かっこよ…」と呟きながら、スマホで彼の"寝顔"をパシャリ。まさかの展開に「えっ!?」となる榎田くんだが、森下さんは「もう無理!! 直視無理!! 心臓破裂しちゃう!!」とジタバタジタバタ。さらに、頭痛を訴えていた彼の身体を案じながら、森下さんはデレデレの笑顔で「痛いの痛いの飛んでけ~」とハートマークも浮かべだす。榎田くんも、さすがにぶっと吹き出して「やべっ!! 可愛すぎて声でた…!!」とドキドキ。
それで、バレたかと驚いた森下さん側も「違う今のは榎田に言った訳じゃなくて…! 私が頭痛いから自分に…!」と言い訳しながら、「っていうか起きてたのか、テメェゴラァ!」といつもの調子に戻ってしまう。も、また僅かな合間を置いて、彼の頬をつんつんと指でさしながら、「起きてたら今すぐ身投げする…」と思いを持ちつつも、「寝てる…よな?」と確認する。それでも無反応を続けざるを得ない榎田くんに、森下さんは改めて「…良かった~。やっぱかっこよ~」と漏らす。そんな彼女に、榎田くんは「永遠に寝てよ…」と、タラリと汗を流してしまう。
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リプライには、「この変わりよう…好き」「ギャップやばい…もっと見ていたい…かわいすぎ」「後半から女の子強すぎ」「忘れられた時代のツンデレじゃん…最高」と、やはり森下さんの言動に魅了される声が。一方で、興味深いのが「先生が授業に合わせて反語使ってるとこすこ」「先生が濃すぎて草」「授業内容に則した返答がすかさずできる先生カッコいい」など先生のさりげない一言に対しての絶賛のコメントが溢れているところ。また、彼女にあわせて「笑わない理由がありますか? いえ、ありません」「続きを見たくない理由がありますか? いえ、ありません」と真似る読者まで登場している。
この短編の作者・御池慧さんは、講談社による雑誌「週刊ヤングマガジン」にて、秋元康さんが監修・企画を務める、オリジナルの青春漫画『乃木坂の詩』を連載中。2019年11月にコミックス第1巻が通常版と特装版の2種で刊行された。また、これまでの作品として、富山弁を話すカップルが、喧嘩しつつも仲良くする様を描く『リア充の衝突』(2019年)がある。
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— 御池 慧 (@miikei2601) November 23, 2019