焼きたて熱々のピザは大人も子どもも大好物。宅配ピザもいいが、価格を考えると冷凍やチルド(冷蔵)の商品を購入して家で調理した方がリーズナブル。特にスーパーなどで購入できるチルド食品のピザは、さまざまなメーカーから発売されており種類も豊富だ。今回は、チルドピザを取り扱うメーカー3社の「マルゲリータ」をチェック。マルゲリータはチーズとトマトソースを主体としたシンプルな定番ピザだが、各社どのような違いがあるのだろうか。

  • チルドピザ食べ比べ-定番マルゲリータをチェック!

    3社のチルドピザを食べ比べ。左から日本ハム「石窯工房 マルゲリータ」、ジェーシー・コムサ「デルソーレ イタリアンピザ マルゲリータ」、伊藤ハム「ラ・ピッツァ マルゲリータ」

チーズたっぷり、生地はサクッと本格派 日本ハム「石窯工房 マルゲリータ」

まずは日本ハム「石窯工房 マルゲリータ」。同社によれば、「石窯工房」は17年連続チルドピザ売上No.1(2019年時点)を誇るブランドで、その中でも2004年から発売を開始したマルゲリータは一番売れているメニューだという。

  • 日本ハム「石窯工房 マルゲリータ」(189g/税別380円前後、編集部調べ)。プラスチックのトレーは手で折りやすい素材を使用し、ごみの削減にも配慮

同商品は、オーブントースター、オーブンレンジ(オーブン機能)、ガスオーブン、電子レンジとさまざまな調理器具に対応しているが、今回はすべての商品をオーブンレンジで加熱した。パッケージに記載されている説明に従って、庫内を250℃に温め、別添のバジルソースをかけたピザを入れて6~8分加熱。ピザのフチの部分にこんがりとした焼き目がつき、チーズにこげ目がつき始めたら完成だ。

  • 「石窯工房 マルゲリータ」の焼き上がり。薄い生地だからこそチーズやソースの味が際立つ

生地はサクッとした軽い食感が特徴のローマ風。フチはカリッと焼き上がり、おつまみ感覚でパクパク食べられる。女性一人でも一枚ペロリと平らげてしまえそうだ。印象的だったのが、想像以上にチーズの量が多いということ。トマトソースを覆い隠すほどたっぷりのっており、加熱されてトロリと溶けたチーズは香ばしいバジルソースとの相性も抜群。ワインと一緒に楽しむのも良さそうだ。

同社加工事業本部 商品統括部デリ商品開発課の野村菜月さんは「『石窯工房』の初代開発担当者は、何度も本場イタリアへ出向き研究を重ねました。生地はピザ職人にならい、酵母のみで発酵させて風味を引き出し、トッピングのチーズは削りたて(削ってから24時間以内)のナチュラルチーズを使用しています」とこだわりを話す。購入者からは特に生地への評価が高く、「生地が薄くて、まるでイタリアンレストランで食べるピザのよう! 」「焼くとパリパリになるところが最高」といった声が届いているという。食べ終わってもお腹にズシッとくるような重さがなく、気軽に食べられる一枚だ。

【日本ハム「石窯工房 マルゲリータ」のポイント】


・チルドピザ売上No.1ブランドの人気商品
・薄くて軽い食感のローマ風生地
・チーズたっぷりでワインのお供にも◎

もっちり生地で満足感高し! 伊藤ハム「ラ・ピッツァ マルゲリータ」

続いては伊藤ハム「ラ・ピッツァ マルゲリータ」を実食。イタリア産のエクストラバージンオリーブオイルを配合し、低温長時間熟成製法でじっくりと作り上げた生地が特徴だ。マルゲリータは2003年の発売開始以来改良を何度も重ね、2019年秋にはトマトソースに完熟トマトを使用し、よりフレッシュさが感じられるようになっているという。

  • 伊藤ハム「ラ・ピッツァ マルゲリータ」(1枚入り/希望小売価格税別380円)。紙のトレーは焼き上がった後の皿代わりにも使える

オーブントースター、オーブンレンジでの調理が可能。オーブンレンジの場合は庫内を250℃に予熱し、内袋をはずし、別添のバジルソースをかけたピザを入れて5~7分焼く。チーズ全体がグツグツと泡立ち、表面にうっすら焼き目がついたら完成だ。見た目からして生地のフチ部分が分厚く、食感に期待できそうだ。

  • 「ラ・ピッツァ マルゲリータ」の焼き上がり。フチ部分に立体感があり、食べる前から生地の弾力が伝わってくるよう。ダイスカットされたトマトが色鮮やか

焼きたて生地の表面はカリっと、中はもっちりとしていて、噛むたびに小麦の旨み・甘みが増幅するよう。ソースはトマトの風味が感じられ、モッツァレラ・ゴーダ・チェダーの3種類を使ったチーズはコクのある味わい。チルド食品とは思えない本格的な味わいだ。小腹を満たすためではなく、1枚で食事として楽しめるようなボリューム感・満足感を求める人におすすめだ。

好きな具材や調味料を"ちょい足し"して楽しめるのもチルドピザの魅力だ。伊藤ハム事業戦略統括部マーケティング部の染谷淳一さんによれば、「そのまま焼いていただくだけでもおいしくお召し上がりいただけます。お好みで、お肉系(ウインナー・ベーコン等)・海鮮系(エビ・イカ等)・野菜系(ピーマン・マッシュルーム等)などをトッピングすることで、幅広くアレンジをお楽しみいただけます」とのこと。スーパーでピザを買う際にトッピングの具材も揃えて、もっちり生地に合うオリジナルアレンジを楽しみたい。

【伊藤ハム「ラ・ピッツァ マルゲリータ」のポイント】


・低温長時間熟成で作ったもっちり食感の生地
・2019年秋からはフレッシュ感のある完熟トマトをソースに使用
・1枚でもボリューム感があり、トッピングでさらに楽しみが広がりそう

糸引きの良いモッツァレラが効いてる! ジェーシー・コムサ「デルソーレ イタリアンピザ マルゲリータ」

3つ目はジェーシー・コムサの「デルソーレ イタリアンピザ マルゲリータ」。1964年創業の同社は、日本で初めてピザの販売を開始した"日本のピザのパイオニア"として知られる存在だ。「デルソーレ」は同社の看板ブランドで、マルゲリータをはじめ多種多様なチルドピザをラインナップしている。

  • ジェーシー・コムサ「デルソーレ イタリアンピザ マルゲリータ」(平均192g/税込498円)写真を使用しない透明パッケージが特徴。盛り付けが一目でわかる

パッケージの説明では、ピザを袋から取り出し、250℃に予熱したオーブンレンジへ入れて4分加熱とある。実際に4分焼いてみたが筆者の自宅のオーブンレンジではあまり焼き目がつかず、追加で2分ほどさらに加熱。フチの部分が徐々にこんがりとし始め、理想的な焼き色になった。バジルソースがあらかじめかかっているので、このままカットしていただく。

  • 「デルソーレ イタリアンピザ マルゲリータ」の焼き上がり。フチ部分においしそうな焼き目がついた。モッツァレラチーズと、セミドライトマトの存在感にも注目

焼き目のついたフチ部分が香ばしく、生地全体はふかふかとやわらかい。特に際立ったのが、イタリア産モッツァレラチーズのおいしさだ。シュレッドではなくスライスにすることで、糸引きの良いモッツァレラの特徴がよく出ている。ひと口かじるとチーズがよく伸び、ピザの醍醐味が楽しめた。セミドライトマトも旨みが凝縮されており、大人も満足できるピザだと感じた。

価格は税込498円と、チルドピザとしてはやや高めの価格設定だが、だからこそちょっとしたごほうび気分で味わうことができるし、購入者からも「『本格的な味・食べれば納得』というような声を多くいただいております」(同社管理本部総務人事グループ 広報担当の星幸子さん)とのこと。“ちょい足し”のおすすめを聞いてみると「フレッシュトマトやフレッシュバジルを乗せればより本格的に。オリーブオイルやガーリックチップ、サルサソースをプラスすれば風味がアップしおつまみ風など」(星さん)と、お酒にも合いそうな魅力的なトッピングを教えてくれた。

【ジェーシー・コムサ「デルソーレ イタリアンピザ マルゲリータ」のポイント】


・冷凍ピザのパイオニアが作った本格チルドピザ
・スライスしたモッツァレラの食感が楽しく、食べごたえあり
・やや高価格帯だが、それも納得の大人の味わい

人が集まる年末年始、みんなでワイワイと食べるのにピザはぴったりのメニューだ。手軽にリーズナブルに、でも本格的な味を楽しみたいなら、チルドピザでピザパーティーを楽しんでみては。焼き上がりを待つ時間も楽しいひとときだ。