挑戦者決定リーグ進出者が続々決定 第61期王位戦

第78期順位戦(主催:朝日新聞社、毎日新聞社)A級6回戦、渡辺明三冠―広瀬章人八段が12月25日に東京「将棋会館」で行われました。5連勝でトップを走る渡辺三冠と、4勝1敗で追走する広瀬八段による挑戦権争いの直接対決です。

先手の渡辺三冠が選んだ作戦は、近年、大流行している角換わり腰掛け銀でした。後手の広瀬八段が待機策をとると、渡辺三冠は先に桂損をする仕掛けを決行します。前例がある手順から、渡辺三冠が新手を出して難解な中盤戦に突入しました。

その後、一時的に先手の駒損は銀損まで広がりましたが、中央に引っ張り出された後手玉が不安定で「少しずつ苦しい」と広瀬八段。終盤まで緩みない指し回しを見せた渡辺三冠が109手で勝利しました。

これで渡辺三冠は6連勝、昨年のB級1組から数えると順位戦18連勝です。まだ3局を残していますが、2位以下に勝ち星2つの差をつけて、挑戦権獲得までマジック2。初の名人挑戦に、ぐっと近づいたといえるでしょう。

次戦の相手は稲葉陽八段で、年明け早々の1月4日に行われます。渡辺三冠は2年連続して勝率8割以上をキープしており、大崩れしそうなイメージはないのですが、何が起こるかわからないのが順位戦。最終戦の相手は現在4勝2敗で追走する三浦弘行九段です。この一戦をどういう形で迎えるのか、この先、どんなドラマが生まれるのかに注目です。

渡辺明三冠