全国各地から集まった高校生トップクライマーが高校日本一のタイトルを目指す「第10回全国高等学校選抜スポーツクライミング選手権大会」が12月21~22日、埼玉県の加須市民体育館で開催された。
熱戦を繰り広げる選手たちに声援を送るため、会場には多くの観客が足を運び、女子個人は明法高等学校1年の柿崎未羽さん、男子個人は天理高等学校2年の西田秀聖さんが優勝した。
2020年の東京五輪で正式種目として採用され、近年、競技者人口が増えるなど注目を集めているスポーツクライミング。そんな「スポーツクライミングの甲子園」とも言える本大会には、全国から男子109名(85校)、女子は104名(80校)が参加した。
本大会では国際スポーツクライミング連盟(IFSC)が公認する3種目のひとつである「リード」方式で競技が実施され、個人戦のほか、同校上位2名の個人順位の合計によって順位が決定する団体戦も行われた。
リードクライミングはクライマー(登る人)とビレイヤー(地面でロープを確保し補助する人)の2人1組で行い、ハーネスを装着したクライマーはルート途中のクイックドロー(ヌンチャク)という確保支点にロープを掛け、安全を確保しながら、制限時間内にルート(課題)をどこまで高く登れたかを競う。墜落・時間切れ・反則をした時点での高度が獲得高度となり、最後の支点にロープをかけると完登となる。
クライミング技術はもちろん、ロープワークの技術も必要になるリードクライミングは、より高い壁を長い時間をかけて登っていくため、観客はクライミングの迫力とスリルを楽しみやすいのも特徴だ。
大会は予選(21日)と準決勝・決勝(22日)の3ラウンドで、決勝には男女それぞれ8名が進出。初見で完登を目指すオンサイトというスタイルで優勝を競い、男子団体では滋賀県立草津高等学校、女子団体では佐賀県立多久高等学校が優勝を果たした。
ゲストとして決勝戦の解説を行った楢崎明智選手は、「今後、クライミング以外の道に進もうとしている方もたくさんいると思いますが、クライミングは生涯スポーツでいつまでも楽しめるので、今後もずっとクライミングに関わってくれると嬉しく思います」と、メッセージを送った。
また、会場入り口には飲食ブースのほか、スポンサー企業である久光製薬のブースが出展。オリジナルのクリアファイルの配布やプロ選手のサイン入りポスターの掲示などを行い、力強く躍動感のあるクライミングを披露した選手とともに大会を盛り上げていた。