「RAGE 2019 SPRING」の『Shadowverse』フライト式トーナメントや、『ブロスタ』のバトルロイヤルチャレンジなどに協賛し、ゲーミングスマホとしての立ち位置をアピールしてきたシャープのスマートフォン「AQUOS zero」。2019年11月23日に開催された「RAGE 2019 Winter」では、シャープが冠スポンサーとして協賛し、eスポーツやゲームとAQUOSの親和性の高さをアピールしています。
そこで、AQUOS zeroシリーズの開発者3人に、AQUOS zeroシリーズとゲームの関わり、シャープとeスポーツの関わりについて話を聞きました。
ゲーミングスマホをうたわない「AQUOS zero」
――シャープは、プロゲーミングチーム「DetonatioN Gaming」ともスポンサー契約を締結し、公式ウェブサイトにeスポーツのページを設けるなど、eスポーツやゲームに注力をしている印象ですが、eスポーツ市場に参入をしようと思ったきっかけは何でしょうか。
篠宮大樹氏(以下、篠宮):AQUOS Rシリーズもゲームに関する機能は入れていましたが、ゲームに強いことを打ち出したのはAQUOS zeroからですね。
eスポーツは世の中の流れとして無視できないほど存在が大きくなってきましたし、ずっと何かやりたいとは思っていました。ただ、単純にAQUOS zeroを「ゲーミングスマホ」として押し出すと、ユーザーからゲーム用の「ハイエンドマシン」と捉えられてしまい、幅広く手に取ってもらえなくなる一面があります。
そこで、あくまでも使いやすいスマートフォンとして、ゲームにも強いというコンセプトを重視。薄型軽量のスマートフォンの魅力を損なわずに、しっかりとゲーマーにもアピールできていると思います。
――AQUOS zeroの軽さは、長時間ゲームをプレイする人に好評だと聞いています。ほかにゲーム向けとして重視した点はありますか?
林孝之氏(以下、林):AQUOS zeroでは、「パラレル充電」と「放熱処理技術」によって、充電しながらゲームをしても、端末が熱くならないようにしています。CPUのパフォーマンスを最大限に引き出すには、熱処理が重要なので、AQUOS zero2でも同様に熱処理には気をつけています。
AQUOS zeroのあとにリリースされたAQUOS R3では、ハイスピードIGZOによる画面のなめらかさ、画質のよさが、ゲームプレイを快適にしていたので、AQUOS zero2でも同様にディスプレイには気を遣いました。
AQUOS zeroはリフレッシュレートが60Hzだったのですが、AQUOS zero2は120Hzで駆動するうえ、フレームごとに黒画面を挿入することで240Hz更新を実現しました。120Hzで動くゲームも増えてきていますし、AQUOS zero2のなめらかでくっきりした表示が、ゲームをプレイするうえで快適なのは間違いありませんからね。
――ゲームプレイに役立つ機能はあるのでしょうか。
楠田晃嗣⽒(以下、楠田):快適なゲームプレイをサポートする機能を搭載しています。例えば、通知機能の抑制。ゲーム中に、メールやメッセージ受信の通知を出さなくすることで、ゲームの集中を削がれることが減るでしょう。
「ゲーム画質モード」では、視認性がよくキレイな画面でプレイができますよ。ゲーム録画も簡単で、ゲームの音だけでなく、マイク音声と合わせて録ることができます。
また、AQUOS zero2は端末のギリギリまで画面があるので、なにもしないとエッジ部分で「誤タッチ」が起こる可能性があります。ゲーム中の誤タッチは操作性の悪さに直結するので、タッチ感覚をチューニングし、誤タッチしにくく、それでいてエッジまでしっかりタッチ操作できるようにしています。
――AQUOS zeroはソフトバンクのみでの販売でしたが、AQUOS zero2は複数のキャリアが取り扱ううえに、カラーバリエーションも展開されます。AQUOS zeroが好評だったためでしょうか。
篠宮:AQUOS zeroは、若者を中心に響いたと思います。AQUOS zero2は複数キャリアで展開されますので、より多くの方に手に取っていただければうれしいですね。カラーバリエーションでは、選択肢の幅を広げられればと考えています。AQUOS zero以上に多くの人にリーチすると思いますので、どのようなフィードバックがあるか楽しみです。
よりよいスマホをつくるためのeスポーツ参入
――eスポーツ市場に参入するうえで、シャープとしてのメリットはあるのでしょうか。
篠宮:ブランドイメージが高まるのはもちろんですが、商品へのフィードバックに期待しています。実際、DetonatioN Gamingには端末の提供を行っており、プロ選手の感想や要望、不満などを聞いています。
単純にシャープやAQUOS zeroの宣伝をするだけではなく、よりよい製品づくりに役立てていきたいですね。宣伝として考えた場合でも、ゲームファンには比較的コアな層が多いイメージなので、一度魅力を感じてもらえれば、製品の深いファンにもなってもらえるのではないでしょうか。
――2020年はいよいよ5Gがスタートします。普及するには数年かかると思いますが、この技術についてはどう見ていますか。
林:いろいろなソリューションがあると思いますが、通信をやっている会社としてはもちろん無視できない存在。やはり、ゲームでの利用シーンが増えていくと思いますので、eスポーツやゲームに向けた端末を展開していく以上、5Gについても考えていく必要があるでしょう。
――最後にeスポーツについてコメントをいただけますでしょうか。
篠宮:今後もeスポーツ業界は盛り上がってほしいと思っています。今回のRAGEのような冠スポンサーとしても、AQUOS zero2のようなゲームに強い端末をリリースするメーカーとしても、さまざまな面でeスポーツを支えていきたいですね。
――ありがとうございました!