JR九州は20日、既存の技術であるATS-DKをベースとした自動列車運転装置の開発の一環として、BEC819系「DENCHA」1編成(2両編成)を使用した走行試験を12月下旬から開始し、25日程度実施して技術検証を行うと発表した。

  • 香椎線で活躍する交流蓄電池電車BEC819系「DENCHA」

少子高齢化や人口減少が進む中、JR九州は鉄道ネットワークを長期的に維持し、安全性の維持・向上を図りつつ効率化も推進し、将来にわたる労働人口減少の中で必要な人材を確保するため、作業の自動化や機械化を推進している。

その一環として、自動運転の実現に向け、ATS-DKをベースとした自動列車運転装置の開発に取り組んでおり、将来的には運転士以外の係員が前頭に乗務する自動運転(GoA2.5 : Grade of Automation)の実現をめざしている。

今回の取組みでは、既存の技術であるATS-DKをベースとした自動列車運転装置の開発の一環として走行試験を行い、その技術を検証。走行試験は前頭に運転士が乗務した状態で実施される。走行試験を通じ、車両の制御機能(加速・惰行・減速・定点停止等)や運転時分、乗り心地などを確認するとしている。

試験区間は香椎線の西戸崎～香椎間で、12月下旬から走行試験を開始し、2020年2月中旬までの期間中に25日程度行う。走行試験は終列車後(深夜0時頃)から早朝4時頃まで実施する。今後、2020年中に香椎線西戸崎～香椎間において、運転士が乗務した状態で営業列車における実証運転をめざす。