東京2020組織委員会は12月17日、オリンピックの聖火リレーに関する記者説明会を実施。聖火リレーの国内第1走者に、なでしこジャパンのW杯ドイツ大会(2011年)優勝メンバーを選定したと発表した。また、東京都を走るランナーには「調布リトルリーグ・リトルシニア」の中学1年生10名も選出されている。聖火ランナーは、福島県のJビレッジを2020年3月26日に出発する。
地域の特色あふれる聖火リレーに
聖火リレーは、一般公募で選ばれた聖火ランナー約1万人が日本全国47都道府県(858市区町村)を走る。日本全国の魅力あふれる土地がスタート地点に選ばれており、会見ではその一端が紹介された。
例えば、香川県坂出市では瀬戸大橋をのぞむ与島から、沖縄県では首里城の守礼門から、広島県廿日市市では世界遺産の厳島神社から、岩手県陸前高田市では奇跡の一本松から、山梨県では世界遺産の富士山(五合目)からスタートする。詳細ルートは東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の公式サイトで確認可能だ。
また、ユニークな聖火リレーも実施される。栃木県茂木町ではSLと聖火ランナーが並走し、大分県臼杵市では日本泳法による聖火リレーを実施。兵庫県宍粟市ではカヌーで、滋賀県守山市では自転車で、新潟県弥彦山ではロープウェイで聖火が運ばれる。地域の特色あふれる聖火リレーになりそうだ。
聖火ランナーは現在も選考中
なお聖火ランナーは、現在も組織委員会が選考中。12月12日以降、応募先より聖火ランナーの速報通知が行われ、選出者には12月25日以降、組織委員会から聖火ランナーの内定が通知されるという。選ばれた際には「走行意思確認」に回答することで、正式に聖火ランナーの資格が得られる。
説明会に登壇した東京2020聖火リレー公式アンバサダーのサンドウィッチマン・伊達みきおさんは「ボクらも応募したんですが、まだ通知が来ません。引き続き、通知が来るのを待ちたいと思います」とコメント。富澤たけしさんは「これ、オリンピックが終わるまで来なくても、まだ待った方が良いの? 4年後まで?」と応じて記者団の笑いを誘った。
元祖ワンチームは私たち
都内のひと区間を走ることが決定した調布リトルリーグ・リトルシニアは、2019年の世界選手権で世界3位の成績を収めたクラブ。過去には荒木大輔氏、清宮幸太郎氏などのプロ野球選手を輩出している。
選ばれたときの気持ちを聞かれた選手は「びっくりしました。日本を代表して区間を走ることを誇りに思います。世界3位になれたのも、指導の先生、保護者の方のおかげです。当日は感謝の気持ちを忘れずに聖火リレーを頑張りたいと思います」とはにかんだ。
そして第1走者(グランドスタート)を任されたのが、なでしこジャパン。彼女らは2011年に日本サッカー史上初となるFIFAの公式大会で世界一になり、東日本大震災で傷ついた日本人に勇気を与えた。登壇した佐々木則夫元監督、安藤梢さん、岩清水梓さん、海堀あゆみさんに伊達さんは「東日本大震災のときには、本当に勇気づけられました。第1走者として走っていただけるのがありがたい」と感謝の気持ちを口にした。
安藤さんは「W杯に優勝したときのメンバーと、再び1つのことを成し遂げられることが嬉しい」、岩清水さんは「今年はワンチームというワードでラグビーが盛り上がりましたが、2011年の元祖ワンチームは私たちだった。皆さんの前で頑張りたい」と各々意気込みを語った。
最終ランナーは誰になる?
東京2020聖火リレーのコンセプトは「Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう」。聖火リレーオリジナルラッピングを施した車列、およびプレゼンティングパートナー4社(日本コカ・コーラ、トヨタ自動車、日本生命保険、日本電信電話<NTT>)による車列が、全国の聖火ランナーを先導する。この日の会見では、次の走者にトーチの火を受け渡す「トーチキス」の推奨ポージング例なども紹介された。
その後の質疑応答には、東京2020組織委員会の布村幸彦氏が対応し、聖火ランナーの最終走者について聞かれると「開会式のときに新国立競技場を走るランナーについては、セレモニーの一部という認識ですので、別の枠になります」と回答。直前まで公表しないという。
公式ライセンス商品が追加
また、聖火リレー開始まで100日前となった同日、東京2020公式ライセンス商品に「聖火リレーデザイン商品」が追加。12月18日より順次販売を開始する。