コナミアミューズメントは12月13日に、日本初の音楽ゲームによるeスポーツプロリーグ「BEMANI PRO LEAGUE」を発足させました。

「BEMANI PRO LEAGUE」は、企業が「大会に出場するチームのオーナー」になって、音楽ゲームのアミューズメントマシン『beatmania IIDX』で対戦するeスポーツプロリーグ。賞金総額は2,000万円です。音楽ゲームのeスポーツ自体珍しいものですが、アミューズメントマシンを使用したeスポーツも昨今のeスポーツムーブメントのなかではかなり珍しい部類でしょう。

  • 「BEMANI PRO LEAGUE」が発足

    「BEMANI PRO LEAGUE」が発足

リーグ戦に参加するのは、コナミアミューズメントが行うプロテストに合格し、6チームによるドラフト会議で指名されたプレイヤー。プロ選手にはチームオーナーとの契約に応じて出演料が支払われる仕組みです。プロテストは実技だけでなく、書類審査や面接も行われるので、ゲームの腕前だけでなく、プロとしての品性や人間性を問われそうです。

数カ月間によって行われるレギュラーシーズンの成績上位3チームがセミファイナルへ進出し、そこで勝ち上がった2チームによるファイナルで、リーグ王者を決定します。

  • レギュラーシーズン、セミファイナルを経て、勝ち上がった2チームがファイナルで戦います

  • 賞金総額は2,000万円

プロリーグはアミューズメント施設の威信をかけた戦い

バトル形式は3対3のチーム戦で、チーム4名のなかから、3名を選び、1vs1の試合を3回行います。曲や難易度、どのようなレギュレーションで対戦するのかは、まだ発表されていないので、続報を待ちましょう。

参加するチームは、共和コーポレーション、マタハリーエンターテイメント、山崎屋、ラウンドワン、レジャラン、ワイ・ケーコーポレーションの6社がオーナーを務めます。いずれも、アミューズメント施設など運営する企業。既存のeスポーツチームによる参加ではないかと考えていただけに虚を突かれましたが、アミューズメントマシンを使ったeスポーツにふさわしいチームだといえるでしょう。

逆風吹き荒れるアミューズメント業界の追い風になることを期待したいですね。また、地方を拠点とする企業が多く、リーグ戦の地方開催やパブリックビューイングの開催などの期待も高まります。

  • 対戦方式。4人1組のチームから3人ずつ選出してそれぞれ試合を行います

  • レギュラーシーズンは2020年5月開幕予定。約半年間のシーズンを戦います

アミューズメント施設でも音楽ゲームはまだまだ高い人気を誇っており、上級者がプレイすると、自然とオーディエンスが集まってきます。eスポーツでも、選手として参加するだけでなく、観戦して楽しむスタイルが定着しつつあるので、BEMANI PRO LEAGUEは、観戦との相性がよさそうです。

プロゲーマーDOLCE.さんと速水もこみちさんのデモプレイ

発表会には、KONAMI公認プロゲーマーのDOLCE.さんと学生時代『beatmania』にハマっていたという速水もこみちさんが登壇。BEMANI PRO LEAGUEの魅力を語るとともに、新筐体のデモンストレーションも行いました。

  • 発表会でお披露目となった新筐体。より快適にプレイできるようにモニターのリフレッシュレートが120Hzになり、表示精度が向上しました。ゲーミングPC搭載で判定の精度も良くなっているそうです

『beatmania』の初期の頃にハマっていた速水もこみちさん。一時期あまりプレイできていなかったそうですが、デモではゲージが100%に近い状態でフィニッシュします。

DOLCE.さんは、高難易度高速のハイレベルの設定でプレイし、こちらも余裕のクリア。プレイ中には1000コンボを超える表示もあり、公認プロゲーマーの腕を見せつけます。本人にとっては1つのミスが悔しかったそうですが、会場は超絶技巧に唸りを上げていました。

  • 昔ハマっていただけあり、慣れた様子でプレイする速水もこみちさん

  • しっかりとコンボ数を稼ぎます

  • DOLCE.さんの超絶プレイ。高速で流れてくる判定ラインに合わせてボタンを押し、ターンテーブルを回します。ミスなく積み重ねたコンボ数は1500を超えました

ちなみに新筐体のボタン部分は、DOLCE.さんによる監修。ボタンの押し具合、反発し具合の調整やターンテーブルの重さを調節する機能など、よりプレイしやすい仕様になっています。

速水もこみちさん個別インタビュー、心地いい不思議な世界観を味わってほしい

今回、発表会終了後、速水もこみちさんに個別で『BEMANI』やBEMANI PRO LEAGUEについて聞いてきました。

――今回『BEMANI』がeスポーツ化し、しかもプロリーグとして開催されることになりましたが、どのような感想を持ちましたか。

速水もこみちさん(以下、速水):実は、すでにeスポーツになっていると思っていました。サッカーゲームの『ウイニングイレブン』もeスポーツになっていますし、格闘ゲームもeスポーツになってますよね。なので、音楽ゲームもeスポーツになっているんだろうなと思っていたので、意外でした。

僕は『BEMANI』のファンなので、eスポーツになってくれるのは楽しみです。昔すごくハマっていたゲームが注目されるのはうれしいですね。最近はちょっとプレイしていなかったんですけど、動画配信でうまい人のプレイは観ていました。今回、発表会でご一緒したDOLCE.さんをはじめ、多くの選手のプレイを観ていますが、とんでもないレベルに驚かされますね。

――BEMANI PRO LEAGUEも楽しみですね。

速水:はい、すごく楽しみです。音楽ゲームって、基本的に個人プレイじゃないですか。それでありながらプレイ中のパフォーマンスの仕方がプレイヤーによって違うんですよね。選曲によっても違いが出ますし、いろんな人の超絶プレイを観たいです。

――eスポーツ自体には興味があったのでしょうか。

速水:サッカーゲームや対戦格闘ゲームの配信はよく観ていますし、興味はあります。アミューズメント施設に通っていたときも、うまい人のプレイを観るのは楽しかったですね。最近はアミューズメント施設に行く機会がめっきり減ってしまったので、今は配信で観ることが増えました。

――eスポーツのイベントに応援に行ったり、参加したりしてみたいですか。

速水:応援には行ってみたいですね。参加はしてみたいけど、プロレベルの方の配信を観ていると、自分はとてもとても参加できるレベルではないなと感じます。

――誰でも参加できるオープン大会では、一般参加者として芸能人が参加することもありますので、そこまで気負わなくても大丈夫だと思います。

速水:そうなんですね。だったら1回は出てみたいですね。

――今回、新しい筐体をプレイしてみていかがでしたか。

速水:ボタンを押した感触も良いですし、指を離したときの反発も心地よいですね。ターンテーブルも重さを調節できるので、自分なりのカスタマイズができてプレイしやすくなっていると思います。

――最後にBEMANI PRO LEAGUEについて、コメントをお願いします。

速水:今回の発表で、僕自身また『BEMANI』熱がふつふつと上がってきました。最近、スマホアプリとしてリリースされた『beatmania IIDX ULTIMATE MOBILE』も楽しんでます。どこでもプレイできますし、ヘッドホンを付けて、タブレットの大画面でやるのもいいですよね。

『BEMANI』は観ているだけでも音楽を楽しめますし、すごく心地のいい不思議な世界観に連れていってくれます。一度観てもらえれば感動と興奮が味わえるので、この体験を多くの人に味わってほしいですね。僕も応援をしていきたいと思っています。ぜひ、リーグ戦に注目してください。

――ありがとうございました!