年末年始は、普段なかなか食べることができない高級料理を食べる機会も多いとき。マイナビニュースの食レポ取材でも、これまで様々な高級店にお邪魔してきた。普段は食べられない料理を食することができるのは、ありがたい限り。そして今回、今年最大の役得とも言える「肉屋田中 銀座」(以下・肉屋田中)の試食会にお呼ばれしてきた。
銀座の新施設にオープンした肉割烹
「肉屋田中」は、銀座東急プラザすぐ横の新商業施設「GICROS GINZA GEMS」9階に、2019年11月16日にオープンした高級肉割烹料理店。名古屋の銘店「肉屋 雪月花 NAGOYA」が展開する東京初進出店舗だ。店内には個室とカウンター席があり、今回は個室をご用意いただいた。BGMにはオペラが流れておりすごく重厚な感じだが、それが普段は味わえない美食体験への誘いを演出していた。
そんな空間で提供される料理は、神戸牛、松坂牛を中心に、その日最高の和牛銘柄をメインとした「季節のおまかせコース」(税・サービス料別35,000円~)。肉師・田中覚さんが生産者や血統にまでこだわり抜き、落札した銘柄和牛を趣向を凝らした肉料理で楽しむことができる。
絶品ぞろいのコース料理を満喫
まずは、「八寸」から。可愛らしいミニりんごの中に入った「神戸牛白センマイ津軽和え」や「車海老紹興酒漬け油霜」「あんこうの肝 山葵」等を、目の前で説明を交えながら盛り付けしてくれる。一見カボチャの煮つけのような色をした「厚焼き玉子」は、卵の黄身のみで作られたもので、ほんのりした甘さに顔がほころぶ逸品。最初からじつに手の込んだ料理に驚かされた。
ホッとする上質な出汁のお椀「神戸牛出汁あわびのすり流し」、和牛と高級魚のコラボを肝ソースの濃厚さ、すだちの爽やかさでいただく「神戸牛とクエ 昆布締め キャビア、肝ソース」等、贅沢な食材をふんだんに使いながらも、どれも上品で繊細な味わいだ。「サガリ炭火焼きフランス産黒トリュフ」は、漬けにしたサガリ(横隔膜)の独特の甘みがあり柔らかく、食べ応えもあり。続いて出てきたのは、「神戸牛棒寿司」。神戸牛の内ももを昆布締めしており、ごはんは赤酢を使っている。
すだちの果汁でできた氷と出汁が口直しに最適な「酢橘冷麺」を挟んで、お目見えしたのは、本日のスペシャリテ「最優秀賞神戸牛ステーキ 季節の鬼おろし添え」。すでに結構なボリュームで大満足なのだが、ここにきてシャトーブリアンが出てくるとは。柔らかくて、絶妙に脂を感じるお肉。そのまま食べても肉の旨味がジワジワと口の中に感じられるが、塩、ステーキソースをつけて食べても美味しい。どちらにせよ、食べ応えがすごい。まさに肉をとことん満喫してる感じだ。
シメは、岐阜高山のお米を蟹出汁で釜炊きした「神戸牛と松葉蟹出汁炊き込み」に、漬けにした卵の黄身を乗せて、超ハイグレード卵かけごはんに。赤だしの味噌汁、牛時雨煮、ちりめん山椒と共にたいらげて、もう満腹。デザートのメロンまで、じっくり時間をかけてコースを満喫させていただいた。
外に出ると、銀座の街のど真ん中。ハッと我に返るぐらい、「肉屋田中」の店内には特別な時間が流れていた。こんな賑やかな場所にありながら、落ち着いた空間で時間を忘れて食事を楽しむことができるのは、コースのお値段以上の価値がある。特別なゲストをもてなす接待の場としても、とても喜ばれそうだ。
●information
「肉屋田中 銀座」
東京都中央区銀座6-4-3 GICROS GINZA GEMS 9F
営業時間:17~23時(最終入店20時30分)
休:日曜