2019年は平成から令和に替わる節目の1年であり、日本中が注目するニュースが数多く駆け巡った。

スポーツ界に目を向けると、箱根駅伝での東海大学の初の総合優勝で2019年が幕を開けた。3月には野球界のリビング・レジェンドであるイチロー選手が現役引退を表明。日本を含めた世界中の野球ファンに衝撃を与えた。そして記憶にも新しいラグビーワールドカップ2019では、日本代表が史上初となる決勝トーナメント進出を果たす快進撃を見せ、日本中にラグビー旋風を巻き起こした。

イチローさんやレスリング・吉田沙保里さんら、第一線を退く意向を示したトップアスリートのニュースがあった一方で、新たなスターがスポーツ界に誕生した。その代表格と言えば、8月の全英オープンで優勝を決めてみせた渋野日向子選手だろう。全英V以降も破竹の勢いで勝ちを重ね、僅差で賞金女王を逃したものの、堂々の国内女子賞金ランキング2位でシーズンをフィニッシュ。一躍、ゴルフ界のニューヒロインとなった。

五輪のチケット販売が大きな話題に

そんな中、来年に開催を控えたオリンピック・パラリンピック大会関連のニュースも、今年は盛り上がりを見せた。

  • 東京2020公式チケット販売サイトイメージ (C)東京2020

オリンピック・パラリンピックに関するニュースで最も国民の関心を集めたのは、なんといっても大会観戦チケットの抽選申し込みだろう。最高額で税込30万円という超高額なチケットもあり、世間を驚かせた。いざ申し込もうとするとチケット申し込みサイトにアクセスできなかったり、抽選倍率が高くなって落選者が続出したりするなど、さまざまな面で話題を呼んだ。

7月には表彰台で選手に配られる東京2020オリンピックメダル、メダルリボン、およびメダルケースのデザインが発表された。アスリートには栄光の部分だけでなく、勝利に至るまでの日々の努力が必ずあることから、メダルのデザインは原石を磨くようなイメージで「光や輝き」をテーマに製作されたという。

  • 東京2020パラリンピックメダルのデザインが発表された

なお、メダルの金属は「都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト」を通じ、全国から回収された使用済み携帯電話などの小型家電から抽出したものを使用している。

  • 久光製薬は「みんなのメダルプロジェクト」回収ボックスを約20拠点に設置した

  • 携帯電話やスマホ、デジタルカメラ、ゲーム機など多数の電子機器が回収された

そのほか、オリンピック開催を約1年後に控えた7月13日~8月9日までを東京2020オリンピック「1 Year to Go! / 開催まであと1年!」期間とし、さまざまなイベントやプロジェクトが展開された。オリンピック・パラリンピックのパートナー企業も大会を盛り上げるべく、さまざまなイベントを開催した。

  • 東京国際フォーラムにて開催したイベントには、さまざまな企業のブースが並んだ

五輪の代表枠争いにも注目

開催まで1年を切ったということもあり、東京五輪への出場内定選手が決まった競技種目も出始めてきている。

競泳の瀬戸大也選手やスポーツクライミングの楢崎智亜選手と野口啓代選手、カヌーの羽根田卓也選手など、国際大会での経験が豊富なメダル有望選手が早々と内定を決めている一方で、し烈な代表枠争いを繰り広げている選手たちもいる。

  • 競泳の萩野公介選手も復活への道を歩みだしている

例えば、卓球。女子では平野美宇選手と石川佳純選手が残るシングルス代表1枠の座をかけ、ワールドツアー・グランドファイナルに出場。日本時間12日に行われた1回戦で共に敗退となった結果、わずか135ポイント差で石川選手が3大会連続の五輪代表を確実にした。男子では水谷隼選手と丹羽孝希選手が、女子同様に僅差の争いを演じている。

バドミントンでは、女子ダブルス代表の座を世界ランキング4位の「タカマツ」、同3位の「ナガマツ」、同2位の「フクヒロ」という3ペアで争っている(数字は11月末時点)。史上まれにみる超ハイレベルの代表争いは、来年4月まで続く。こういった代表選手の争いを見れば、東京五輪へのムードはますます高まっていくはずだ。

五輪イヤーとなる来年は、間違いなく今年以上の盛り上がりを見せることが予想されるスポーツ界。皆の胸を熱くするような瞬間にいくつ巡り合えるのか、楽しみにして待つとしよう。