前期、挑戦者決定三番勝負進出の菅井七段が、増田康宏六段を下す

第5期叡王戦(主催:株式会社ドワンゴ)は、挑戦権を争う本戦トーナメントが進行中です。12月11日には関西将棋会館で、菅井竜也七段―増田康宏六段戦が行われました。

菅井七段(27)は竜王戦3組、順位戦B級1組に所属。前期の叡王戦では挑戦者決定三番勝負に進出しています。惜しくも永瀬拓矢七段(現、叡王・王座)に1勝2敗で敗れましたが、王位獲得、棋戦優勝2回の実績もあり、その強さは誰もが認めるところ。棋風は、独創的で力強い指し回しが特長の振り飛車党です。

一方の増田六段(22)は、竜王戦3組、順位戦C級1組に所属。新人王戦優勝2回、準優勝1回の実績がある新鋭棋士で、藤井聡太七段のライバルとして名が挙がるほどの実力者です。今期の叡王戦では2年連続となる本戦出場を果たしていました。

先手の菅井七段は得意の中飛車から穴熊に組むと、居飛車党の増田六段は右銀を前線に繰り出して攻めていきました。中盤戦に入り、菅井七段は「振り飛車の命」とも呼ばれる、左桂の活用に成功します。その桂が相手の銀と交換になる戦果を挙げると、後手玉を上部から攻めて、増田六段を圧倒。91手で勝利して、ベスト8進出を決めました。次戦はベスト4進出を懸けて、久保利明九段―佐々木大地五段戦の勝者と対戦します。

菅井七段はこれで公式戦9連勝。今期、順位戦B級1組では8勝1敗で、A級昇級が見えてきています。叡王戦でも、前期を上回る活躍が見られるかもしれません。

藤井聡太七段